2007/10/22   

第15話「掴むこと 気づくこと かかわること」

最近、スピリチュアルな話題が多く取り上げられるようになってきています。

 

人々はなぜ、目に見えない世界に目をむけるようになってきたのでしょうか?

 

私のクライアントの一人に、いわゆる「見える」人がいらっしゃいます。ご本人はあまり人にそういったことを話しませんが、あるとき、こんな面白い話を教えてくれました。

 

「よく、カフェにいくと、人が椅子に座っているところと、座っていないところがあるでしょう?あれ、見事に座っていないところには、・・・いるんだよ。ほんと、見事にね。無意識のうちに、人はよけて座っているんだよ」

 

とおっしゃいました。私は

「えぇ!?そんなの信じられないですよ。だって、もし、スペースに余裕があったら、はじっこの席や人の少ない席を選ぶものじゃないですか?カフェに来るっていうことは、ホッとしたかったり、自分の世界に入りたいというか・・・、空間も大事ですから」

 

というと、

「もちろん、それはそうなんだけどね」

そう言って、少し間をおいて

「でも、それだけじゃないんだよ。・・・まぁ、僕はみえちゃうからだけど、そういう風になっている、という見方もあるっていうことで」

 

と、おっしゃいました。 

 

 世の中に「正しい答え」なんて存在するとしたら、自分の世界だけだ。そう思って来たにも関わらず、クライアントの視点を否定した自分に、後悔をしてしまいました。

 

その方は、とても頭のよい人で、今はフリーでお仕事をされており、以前はテレビ局のプロデューサーをしていました。物事の本質を掴むのが早いというか、「要はこのようになっている」というポイントを抑えるのが上手く、それに見合った適切な言動が出来るのです。周りの状態もよく見え、この先どうなるかを予測する能力にも優れているように思えます。

 

<本質をつかむ>

 

人は大人になるにつれて、上手に生きていけるようになってゆくと、私は思います。

 

20代の頃、苦戦していた仕事の業務は、10年も経験すればひととおりできるようになり、余裕ができてきます。細かいことまで、気がつくようになり、後輩に教えたり、教えたことで、その仕事そのものの見方が違ってみえるというか、再発見できる機会もあります。そして、10年かけて覚えた技術は、振り返ると「そうか、要はこんなことだったんだ」と客観的に向き合うようになり、少しずつ、仕事の本質を掴みはじめてくるのではないかと思います。

 

そして、その経験は応用でき、新たな未経験の出来事にあっても、「要はこういうことだ」

と、本質を掴むのに、時間がかからなくなってくるのです。そして、加速的にポイントを抑えるようになった頃には、周りの環境も見え、原因や理由も推測でき、将来はこんな風に発展してゆくんじゃないか・・・という予測までたてているのではないでしょうか。

 

まるで、車の運転のように、慣れてくると一度に色んな状況をキャッチし、無駄のない、メリハリのきいた運転ができるのと似ているように思うのです。

 

おそらく、志のあるリーダーたちは、その過程に、多くの「気づき」があり、それによって、見えてくるものがあるのです。そして、他の人には見えない、気づかないものが、目に見える数字やカタチに影響を及ぼしていることを知っているのかも知れません。

 

 

<かかわり方が変えるもの>

 

見えないものが見えてくる、ということは、気配りができることや、場の雰囲気をコントロールできることや、オーラを感じることだとしたら、誰もが感じるセンスかも知れません。でも、そこでのかかわり方を工夫するだけで、結果として、大きな売上を上げたり、厚い信頼を得ることもあるかも知れません。

 

かかわり方を工夫する・・・。私はマーケティングコンサルタントの藤村正宏さんを思い出しました。「マーケティングとは、商品やサービスを買ってもらうということで、人々に自分の会社の商品やサービスを、「欲しい」と思わせ、買ってもらうための効果的なしくみ」だそうです。彼はエクスペエリエンス・マーケティングという考え方を本にしていますが、「自分が扱っている商品やサービスが、お客様にどんな体験を提供しているのか、という視点から見てみよう」とおっしゃいます。

 

きっと、見やすい広告やディスプレイ、つい買い手の心理をくすぐってしまう見出しの雑誌、スタイルがあり、無言の発信をしている洋服などもかかわり方を工夫している姿なのでしょう。

 

 

<自分と関わる>

 

パーソナルトレーニングを受けるクライアントは、経営者やクリエイター、芸術家や芸能人など、さまざまな職業で、活躍されている方が多いです。それぞれの分野で活躍し、貢献する人びとは、すでに目にみえない影響力を使いこなしている方々が多いように思います。

 

世の中の流れと、同調するわけではありませんが、身体の世界にも、目に見えない影響力というのがあるのです。

 

今、話題のピラティスなどはその代表格といえますが、「インナーマッスル」という存在です。

 

ひとが洋服を身につけるとき、インナーとアウターがあるのと同じように、筋肉にも、インナーマッスルとアウターマッスルがあります。

 

インナーマッスルは、身体の芯部、より骨や内臓に近い部分にあり、外側の目に見えるアウターマッスルを安定させるために働きます。このインナーマッスルが弱まると、肩甲骨まわりの歪みや、骨盤の傾斜角度の変化につながり、姿勢の歪みや、関節へのひずみへ影響が及ぼされるのです。

 

人間の身体も同じように、目にみえない筋肉が肩こりや腰痛の原因へとかかわっているのです。

 

年を重ねれば、誰でも関節の可動域は狭くなり、体力は低下し、肌の張りや髪のつやもなくなってゆきます。でも、本質を掴むセンスが磨かれ、短期間に多くの気づきを得て、物事を効率よく行えるのです。そして、自分の視点で、ものごとと関わってゆくことができます。

 

そんな年輪の流れの一つに、是非、自分の身体と自分の視点で関わる、というセンスを入れて頂きたいのです。人は食べたもので出来てゆきます。人は、毎日の生活習慣で、身体は変化してゆきます。そして、想ったことで、行動が変わってゆくのでしょう。

 

次回はインナーマッスルの具体的な使い方をお伝えいたします。

続く

志あるリー ダーのための「寺子屋」塾トップページへ