2007/12/24  

第17話「若さとは復元力である」

先日、あるお客様とトレーニング後のストレッチをしていたときのことでした。

 

お客様はこうおっしゃいました。

「さっきのトレーニング、やっているときは、もうこれ以上できない!と思うほどキツイと思ったけど、今思えば本当にそうだったのかと思うよ。もっと力出せたんじゃないかってね」

 

私はそれを聞いて、この人若いな、と思いました。

 

その方の運動メニューは、普段からトレーニングをしていなければこなせない程、運動レベルの高い内容であり、プロのアスリートとは言わないまでも、運動能力も体力も一般の健康成人をはるかに超えた内容であり、それを一般の運動愛好者のお客様がこなしていたからです。

 

ハードなトレーニングで追い込まれたあとの、少し回復した状態だから、そう思えたのかもしれません。少なくとも、トレーニング後すぐに、回復した身体で、自分が運動ピーク時に100%出し切ったかを確認しようとしているのです。自分の体力に対して、あきらめていないのです。

 

また、別の場面で、テレビ中継でサッカーやラグビーなど、的確に実況していたアナウンサーが、試合の展開が急変したとき、急におおきな声で「アー!!」などともらす声を聞くと、冷静でない、素の感情を見た気がして、なぜか「若いな」と思ってしまうのです。

 

若さとは、復元力である。

 

そんな言葉が浮かんできます。

 

身体が疲労したり、日焼けした時、回復するのにかかる時間が短ければ、復元力がよく、身体の年齢も若いといえます。新陳代謝が活発で、細胞レベルの状態も良好です。

また、大人になって多くの人生経験をふんでいて、現実を充分知っているにもかかわらず、それでもなお純粋で素直な考えをもった人を、私はココロの復元力のある人だと思います。

 

 では、どうしたら復元力は身につくのでしょうか?

 

私の勝手な解釈ですが、フィットネスクラブという箱の中には、アンチエイジングのよい「気」が充満しているように思います。会員様は、痩せたい、体力アップしたい、競技スポーツの技術をあげたい、リラックスしたい、という人が多く、自分の身体に対してあきらめていない人たちばかりです。腹筋をしていて、かなりキツくても、「あと2回!」という掛け声に「よっしゃー!!」といいながら頑張ってしまう人たちなのです。また、それをノセてしまうスタッフたちが多いのです。

 

そんな人たちと関わった中から感じる共通点から、「復元力」について考えてみたいと思います。

 

1、 負けず嫌いである

負けず嫌いというのは、他人に対してでもよいし、自分自身に対してでもよいと思うのですが、自分の能力が劣っているのがいやで、どうにかして成し遂げようとする結果、無意識の中で、自分のもっている能力を最大に引き出そうとするのです。そうなると身体の生理状態は、疲労物質である乳酸というものの生成や除去能力が高まってゆき、その結果復元能力が増してしまうのです。

 

2、 鎧がとれやすい

もともと性格がオープンな人が多いのも事実ですが、「会社の顔」「業界の顔」など、色んな鎧をまとっている人たちも、頭を休めて身体を使っているうちに、表情は純粋な素の顔になってゆき、鎧を脱いでいくのです。ココロの復元力ですが、軽やかに復元するには、何かを得るのではなく、何かが取れてくるのでしょうか。

 

3、 人に適応し、雰囲気に溶け込める

フィットネスクラブのプログラムは人が提供しているレッスンであり、コミュニケーションで、インストラクターは会員様に安心感を感じていただけるよう、笑顔やアイコンタクト、スタッフの在り方を通して身体を使う楽しさを伝えられるよう教育されています。挨拶によって活気が増し、人があつまってくるので誰とも話しやすい雰囲気があります。人は、人によって自分を知るのかも知れません。

 

4、 別の価値観を尊重できる

フィットネスクラブは小さなコミュニティのように、老若男女、色んな方がいらっしゃいます。そこで生まれる会話は会社の利害関係とは関係なく、さまざまな価値観を知ることができます。そうしているうちに、自分のココロに色んな角度から物事を見るセンスが身につき、視点を変えられるようになるのです。好奇心旺盛な人はいろんな考えを得ようとします。その違いを楽しみ、吸収しながら、ドキドキワクワクを繰り返すのです。

 

5、 個人のプライベートな時間が持てる

自分と向き合って、自分をリセットするために来ている人がたくさんいらっしゃいます。

人それぞれ、その人のやり方でクラブを活用しながら、また新たなエネルギーを迎え入れる準備をしているのです。自分の時間を区切って使って「私に還って」ゆくのでしょう。

 

6、 深酒をしない

これは、私の主観ですが、運動が習慣になっている人は、深酒をしない人が多いように思います。タバコもそうですが、お酒の二日酔いや、タバコによって、運動能力が一時的にでも落ちるのを嫌う人が多いのです。必然的に、遅くても夜中の2時くらいには

寝る習慣があれば、身体の疲労回復のもとになる「成長ホルモン」の分泌が行われるのです(成長ホルモンは寝ているとき、とくに22〜2時の間が理想的な分泌時間になります)

 

きっと他にも色んな特長があると思いますが、真っ先にでてきた6つを書き出してみました。みなさんも、自分なりの「復元方法」を、是非見つけてみてください。

続く

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