2008/01/01  

第18話「始まりと終わり」

年末年始になると、忘年会の中の会話に「この一年を振り返ってどうだったか」、などといったやりとりがよくあります。テレビ番組でも「今年の流行語大賞」や「2007年のニュースから日本を斬る」なんていう番組でにぎやかになります。少し前のかすかな記憶もあれば、忘れられない思い出に一喜一憂したりして、同じ時を過ごした仲間と過去を共有し、おおいに盛り上がります。「振り返る」というのは、必ずどこかのタイミングで行われることなのでしょう。

 

年末年始は、一年を振り返りながら、区切りをつけて、また次の年へと目を向けてゆく、というココロのけじめの儀式のようにも感じます。

 

<振り返る世界>

 

では、身体にもしっかり一年を振り返りながら、来年へむけての儀式を行うべきでしょう。

 

私は今、自分のパーソナルトレーニングを受けているクライアントの身体のデータをまとめる作業に追われています。人それぞれ、トレーニングの頻度や目標も違いますが、一年を振り返って、身体がどう変化したのか、年賀状の代わりに贈りたいと考えています。

 

ある50代の女性は「後ろ姿が30代に見えるように」、という目標があったり、別の60代の男性は「膝にたまった水を抜きながら、うまくこの身体と付き合っていけるように」という目標であったり、またある人は「自分の志をまっとうできるに耐えられる身体であるために」、と本当に個性的です。人によっては写真を撮って、一年前、二年前の姿と比較したりすることもあります。

 

ただ、ここで区切っているのは一年一年の小さなけじめであり、目標もコツコツと具体的なものです。さらにこれがもう少し大きな人生での区切り、つまり生まれてからこの世を去るまでの期間を振り返るなどということは、人生の後半になって考えればよいと思っていませんか。でも、私がこのブログを通してお伝えしようとしていることは、「志のためのリッチエイジング」です。関わったクライアントとの出会いの中から気づいたことを通じて「一生を通しての健全な肉体と魂」を書いている訳です。

 

年末年始の、少し時間ができたときに、じっくり読んで頂きたいと思い、私の大好きな「腹をくくる日本人、みのもんたさん」の話をします。

 

<世界一忙しい男>

 

以前、テレビの特集で、みのもんたさんの一日を密着取材するという番組を見ました。

今から数年前になりますが、みのさんは年末、腰の手術をしました。

 

毎日、生放送の連続でスタジオを駆け回り、お父さんの会社を引き継いで経営をする傍ら、収録の合間にはスタッフを気遣い、場を和ませようとするみのさんの姿が映されていました。

 

一日3時間の睡眠で車通勤をしながら家族を支えるみのさん。朝のニュース番組では、理不尽な世の中に、大声で「間違っている!」と世論の声を代弁し、お昼の情報番組では分かりやすい言葉と親しみやすい笑顔でお茶の間に遊び心を振りまいています。年末年始に腰の手術を選んだのも、なるべく番組に穴をあけないように、との配慮からでした。

そして、その手術の様子でさえ、番組で放送していました。切除した組織は、生々しくカメラに映し出されており、術後、痛みに耐えるみのさんの姿も映されていました。

 

なぜ、そこまでして・・・、と思う人も多いでしょう。でも、番組の最後にみのさんはこんな事をおっしゃっていました。

「それでも僕は立ち続ける。世間が僕を必要とする限り、全身全霊で立ち続ける」

 

私は全身に鳥肌が立つほど感動したのを覚えています。おそらくみのさんの志は「世に伝える」ということなのでしょう。

 

<覚悟する力>

 

もし、世に伝えるために、腰の手術が必要ならばやる。世に伝えるために生放送が3本続こうが、やる。睡眠時間が3時間であろうが、世に伝え続ける。そんなみのさんから、私は「覚悟する」という力を感じました。

 

昔の戦国武将はそれぞれに生き、死んでいったのでしょうが、覚悟を決めて戦ったことに思いを馳せるとじんとくるものがあります。生まれた環境によって「腹のくくり方」はさまざまであったと思いますが、まわりの環境の中で、覚悟して天命を全うした志というものがあったのだと思います。彼らがどんな想いで志し、時代を生きたのでしょうか。是非一人ひとりに聴いてみたいものです。

 

私の志は「志ある人の身体を鍛え、守る」ことで、そのためには何でもする覚悟でいます。

 

あなたの志は何でしょうか?

そのためなら、何でもする、と言い切れる潔さは、何をしているときに響くのでしょうか?

 

もし、人生の終わりが近いと知ったら、あなたはきっと、腹をくくって志に全うするのではないでしょうか?「今年は・・・」などと呑気なことを言っていられないくらい、自分が人生でやり残したことはないか振り返るはずです。

 

人それぞれ、自分の人生を振り返ったとき、どんなことに喜びや悲しみを感じるかは違います。多くの人に愛され、家族と幸せを実感できること。ビジネスで成功をおさめ、多くの富を得て、世に貢献すること。それぞれです。でも、一つの視点として、志に全うし続け、それに耐えうる肉体を持ちながら人生の最期がくる。というのは、アンチエイジングの視点から、幸せな一生だと思います。

 

年のはじめに、人生の終わりの話をするのは縁起でもないかもしれませんが、でも始まりと終わりを意識したら、そして身のまわりの、あなたの志を理解してくれ応援してくれる人たちを意識したら、自分の立ち位置を充実させようという、魂の力が湧いてきます。

 

今年もステキな一年でありますように。

続く

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