2006/08/27
2008/06/30 

第1話 華やかなM&Aの世界がもたらしたもの

私たちは皆、日々さまざまな悩みを抱えながら生きています。

「人の役に立ちたい!」「やりがいのある仕事をしたい!」そう思っても、時には潰れそうになったり、逃げ出したくなったりすることもあります。

 

ここでは、あなたの「志」が揺れた時や、あなたが逃げ出したくなった時に、あなたの志をしっかりと感じて前に歩むことができるように、一つのものの見方として、スピリチュアルという目に見えない世界からの観点をご紹介していきたいと思います。

 

「スピリチュアル」と聞くと、あなたは「自分には無縁の世界だ」と思うかもしれません。ところが、実は関係があるのです。

 

これからあなたに、スピリチュアルな世界が如何に私たちの人生に大きな影響を及ぼしているのか、そして、その影響を上手に活用して、あなたの志を遂行するために、どうすればいいのか、具体的に実践できるようお伝えしたいと思います。

 

初めに、税理士である私が、どうしてスピリチュアル・ヒーリングを志すに至ったのかを話させてください。

 

 

私の生い立ち

 

私は1970年3月にスイス・チューリッヒで生まれました。

チューリッヒは、スイス最大の都市で映画や小説でよく耳にする「スイス銀行」があり、世界中の富が集まっていると言われています。こう書くとまるで大都会のように聞こえますが、山と湖に囲まれた美しい町です。

 

当時、父はチューリッヒ工科大学で物理化学の研究員として働いていました。その後、父がアメリカのマサチューセッツ工科大学へ移ったのに伴い、ボストンで暮らすことになりました。私が2歳になる前に日本に移りましたので、異国の記憶は残念ながら写真だけですが、私たち家族には異なるものを受け入れる土壌ができたのかもしれません。

 

父が学者であったため、教育には非常に熱心な家庭でした。いつも勉強するように言われ、時に反発しつつも、勉強していないと『怠けている』という感覚が常にありました。

 

大学に入り受験勉強から解放されても、結局のんびり遊べず、将来を模索していた頃、たまたま手にした本に、税理士になればM&Aができるとあり、バブル全盛期の華やかな金融の世界に憧れていた私は、税理士試験を受けることにしたのです。

 

大学卒業後は、税理士試験のための勉強を続けながら、第一勧業銀行に就職し、希望どおりM&Aの部署に配属されました。M&Aは新聞紙上を賑わすので華やかに見えますが、裏方は、相手企業や業界の調査に始まり、プレゼン資料の作成、クライアントや弁護士等の専門家との度重なるミーティングなど、やり甲斐はありましたが、意外に地味な作業が多い仕事でした。

 

税理士試験に合格してからは、さらに外資系企業でキャリアを積むべくKPMGピートマーウィック会計事務所に転職。税務の基本を学び、M&Aの買収監査を数多くこなす毎日が続きました。

 

当時の日本は平成大不況。「日本企業が安い!」とばかりに、連日欧米企業から買収のニュースが入ります。日経新聞の一面にデカデカと「買収」の文字を見る度にため息がでました。確かにやりがいのある仕事でしたが、いつもレポートの締切りに追われ、プレッシャーを感じながら生活をしていることに、なにか自分の内面に満たされないものを感じていました。自分の人生を「これでいいのか」といつも思うようになっていたのです。

 

朝から夜中まで働きっぱなしで疲労はたまる一方でしたので、疲れを取るために普通の整体に通うようになりました。その頃、父が、特に原因がハッキリしないのに2度も続けて網膜剥離の手術を受けることになり、母が「もう西洋医学では治らないのでは」と心配して、「病気を癒す力のある人を紹介されたからその人の所に行きましょう」と言い出しました。

 

母は昔から事あるごとに家や土地や家族のことを霊感のある人や風水師に相談したり、高島易断の暦を買ったり、目に見えない世界に気を使っていたので、私も何となくそういうことも関係あるのかもしれないと思っていました。

 

父は一人でさっさと手術を決めて西洋医学に治してもらいましたが、私は好奇心から、母が見つけてきた、病気を癒す不思議な力があるという人を訪ねてみました。エネルギーを入れて気の流れの滞りを治すとかいうのです。そこで、なんと私が小学生の時から苦しんでいた肩凝りがなくなったのです!その後しばらくは、仕事の合間の唯一の楽しみとして通っていました。

 

ところが、その人が次第に偉そうに振舞うようになったのです。こういう不思議な力を持つと周りの人間が持ち上げるから性格が曲がってしまうのかもしれません。嫌になったわたしは行くのを止めてしまいました。

 

その後も仕事のストレスは増すばかりで精神的に追い詰められていった頃、『前世療法』という本に出逢いました。ブライアン・L・ワイスというマイアミ大学医学部精神科の教授が書いた本でした。クライアントへの催眠療法で前世にまで遡ってしまったこと、クライアントの劇的な回復ぶり、著者の前世への複雑な想いなどが描かれていました。

 

人間は何度も生まれ変わりながら学びを重ねて成長していること、過去世を知ることで現在抱えている問題の原因が判ると現実の問題が解決していくこと、さらには至福を感じるとも書かれていました。『前世を知ると至福を感じるなら、私も前世を見てもらいたい』と、半信半疑ながらもスピリチュアルな世界に興味を持つようになっていったのです。

 

 次回は、私のスピリチュアル・ヒーリングとの出会いをお話したいと思います。

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