2011.11.22     

58話:就職塾事業(その2)

前回は就職塾事業、エデュバイトプロジェクトについて詳しくお話させていただいた。

このプロジェクトは現在コーチ(弊社の講師)として働いている大学生達が、主体的に自分が働いている教室での課題を見つけ、その課題を自らの知恵と力で問題解決に導くというもの。いわば、就活に勝てる「実践力(オン・ザ・ジョブ)」を養う取り組みである。
 
 今回は、その実践力をフルに生かすための源となるセミナー、「就職塾(オフ・ザ・ジョブ」についてお話したい。

これは「MY WAY セミナー」「パーソナルミッションセミナー」「個の華プロフィールセミナー」と命名されたもので、段階的に三つのセミナーに分かれている。

最初の「MY WAYセミナー」はエデュバイト生の自己分析に繋がるもの。自己認識と過去のクリアリングを目的としたセミナーで、「自分はこういう人間だ」ということをはっきりと認識するために行われる。過去の原体験を発見・認識して昇華することによりパーソナルミッション(自分で意識している社会的使命)の源泉を明らかにするのである。

このセミナーは一般の「自己分析・自分探し」とは違い、はるか昔の過去にまで遡るので本当の自分を発見できるというメリットがある。

過去は変えられないという思い込みを排し、トラウマや原体験をクリアリングすることで過去の自分を再構築することができるのだ。そして、その後に「パーソナルミッションセミナー」「個の華プロフィールセミナー」に入るわけである。

ではここで具体的な例を出し、3つのセミナー効果がどう発揮されるのかをご説明しよう。

例えば、あなたが某企業の入社面接を担当し、ふたりの就活生に「あなたはどうして弊社へ入社を希望されたのですか」という質問をしたとする。

結果、あなたは以下のどちらの学生に心惹かれるだろうか。

 学生Aさんの答:

「去年ボランティアをやって人のために尽くすのは良いことだと実感しました。だからインフラ志望です。御社に入れたら電力事業部で働きたいです。」

 学生Bさんの答:

「私は何不自由なく育ったので、豊かさに感謝することを知りませんでした。阪神大震災で電気が止まった時、田舎の祖母が語っていた『戦争が終わって電気が灯ってどれだけうれしかったか』という話を思い出しました。そして、災害でもこのようなことがないよう電気事業部でこの思いをぶつけてみたいです。御社で人々の心に灯を灯し続けたいと考えています」

誰が面接を担当しても、印象的なのはBさんではないだろうか。

それは、Bさんが、「原体験」をしっかり認識(己を熟知)することで、「社会的使命」を明らかにし、それを「魅力ある言葉で表現する術」を心得ているからだ。

弊社の就職塾セミナーはBさんのような魅力的な自己PRができるよう、以下のように位置づけられている。

1. MY WAY セミナー(原体験と自己分析)

 Bさんで例えると、MY WAYセミナーは電気というインフラを職業に選んだ原体験の引き出しに繋がる

2. パーソナルミッションセミナー(志望動機)

 Bさんで例えると、パーソナルミッションセミナーは、人が不自由のない生活が送れるよう社会貢献をしたいという社会的使命の発見に繋がる

3. 個の華プロフィールセミナー(表現力のアップ)

 Bさんで例えると、個の華プロフィールセミナーは、「人々の心に灯を灯し続けたい」という言葉を用いて、自分の社会的使命をより解りやすく印象的に表現し、強く訴求できることに繋がる

このように、三段階のセミナーを経ることで学生たちは、己を知り、社会的使命を明確化し、魅力的な表現力を身につけることができるのである。

企業面接ではまず、「この人はどういう人間なのか」ということが見られている。

 その時にMY WAYセミナーで自己認識と過去のクリアリングができていれば、「私はこういう人間です」と迷わず述べることができる。

そして、「どのようなことを会社でしたいのか」という質問には、パーソナルミッションセミナーで明確化した使命を思い浮かべ、その使命を個の華プロフィールセミナーで得た表現力を用いて、魅力的に訴求することができるのである。結果、面接担当者はその学生の人柄をわずかな時間で把握し、社会貢献度の高い、企業にとっても魅力的な人間であると判断するだろう。

「焦る学生」と「渋る企業」という就活の構図は今後の日本でも続いていく。そして、このような未来図に「夢が持てない」と悲観的になる若者も多い。が、「夢がもてない」と嘆いても、世の中の状況は何も変わらない。ならば、まず夢を持ち、その夢を現実的に描けるだけの「具体的なスキル」を身につけることだ。

具体的なスキルとは

1. どんな人柄で(MY WAYセミナーにて習得)

2. どんな考え方で(パーソナルミッションセミナー・個の華プロフィールセミナーで習得)

3. どんな将来像を描いていて(パーソナルミッションセミナーで習得)

4. どんな能力を持っているのか(57話にてお話したエデュバイトプロジェクトで習得)

 そしてそれをどのように形式化し、どれだけ知的に動けるかということである。

これらを順序だてて、習得できるのが就職塾3つのセミナーである。

セミナーはこの春から始まり、MY WAYセミナー、パーソナルミッションセミナー、個の華プロフィールセミナーの順で終了したが、実際にセミナーを受けた学生たちの99%がセミナーを受けてよかったと答えており、また90%以上の学生たちが、他の学生たちにも紹介したいと答えている。

その理由を参加した学生たちは、以下のように述べている。

1. MY WAY セミナー

 「自分が目をそらしていた弱点に改めて気づくことができました。そして、ビデオでの撮影により、自分の話し方、癖、表情など直す点がわかりました」

「過去の自分に縛られていたことに気づき、開放され、自分を見つめなおすことができました。また客観的な自己評価が得られたことで、自信に繋がり、やる気が出てきました」

「2分間という自己PRの時間がありましたが、2分間という時間間隔を把握し、その中での自己PRの起承転結の在りかたを改めて学びました。2分という時間は長くもあり、短くもあり、その時間をどう味方につけるのかが大切だと思いました」

「新しい自分を発見できました。自分を知らずに就活をする人が多いので、是非、このセミナーを多くの人に受けて欲しい」

「自分が何を考えているのか自分を知ることの大切さを知りました。自己PRは人に見てもらうきっかけが必要。そういった意味で、社会で成功するためにもこのセミナーは必要不可欠だと思う」

2. パーソナルセミナー

「何故、何故の質問から、見えてくることがわかった。自問自答で、何故と向き合うことで人は成長できるのだと思いました」

「誰かから認められることの大切さ、素晴らしさを学びました」

「自己成長と達成感に尽きます」

「初めて自分の魂と向き合った気がした」

3. 個の華プロフィールセミナー

「自分をPRするのには、全体の軸となるキャッチコピーが有効となることがわかりました」

「コミュニケーションの起承転結のツボがわかり就職活動の道筋が見えてきました。絶対にこれを活かします」

「目からうろこ・・・コミュニケーションや表現力にはコツがあることを知りました」

以上の代表的な意見を踏まえ、就職塾は秋以降も続けていく予定である。

そして、最後になるが、忘れてはならないのが、セミナーを指導したトレーナーの評価である。

学生たちのトレーナーの評価は3つのセミナーすべてに於いて、すべての学生がセミナーの進め方について「満足」と答えている。

これは、弊社の社員たちもまた、パーソナルミッションセミナーなど多くの自社セミナーに参加し、個々の社会的使命を明確化し、表現力をしっかりと身につけている魅力的な人物に他ならないからである。


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