2012.03.19       

第74話 「タカアマハラ」の言霊

祝詞を奏上するときに必ず冒頭に「タカアマハラ」という言葉が出てまいります。

このタカアマハラとは一体何でしょう。祝詞は「タカアマハラ」を知ってこそ明らかになってきます。

まず、タカアマハラという言葉は、古事記の冒頭において以下のように出てまいります。

『アメツチノ ハジメノトキニ タカアマハラニ ナリマセルカミノナハ アメノミナカヌシノカミ』

「タカアマハラ」は宇宙根本の形と力が生み出される世界で、万物を生み出す元である火(霊)と水(体)の二つが渦巻いて結ばれて成り立っています。

「タカアマハラ」の火は「神力」を、水は「神形」をあらわします。

「タカアマハラ」の神力は「タカア」「タアマ」「カアマ」「ハラ」の四つに分けられます。

「タカア」は、内から外へ出る遠心力
「タアマ」は、外から内へ入る求心力
「カアマ」は、内外同時にはたらく力
「ハラ」は、螺状旋回の力

この神力を司る力を「タカア ミムスビ ノカミ」といい万物の魂、心、情などを整える神力(霊系)の大祖神です。

また「タカアマハラ」の神形は「マアタ」「カタ」「マアカ」「ラハ」に分けられます。

「マアタ」は、全、大、多、勝の義
「カタ」は、片、半分の義
「マアカ」は、股、分、枝、支の義
「ラハ」は、螺波の義

この神形を司る力を「マアカ ミムスビ ノカミ」といい万物の姿、相、態などを整える神形(体系)の大祖神です。

「タカアマハラ」において内外、上下、前後、左右に無限の螺旋を放射する光速の軌道を「アシカビ光線(別名ツルギ)」といいます。

アシとは速力、カビとは酵素で、万物を生み出し成長を促進させるはたらきをいいます。

このはたらきを遂行する力を「ウマシ アシカビ ヒコジ ノカミ」といいます。ウマシはこの上なく素晴らしいという称賛の意味です。

75声のますみの鏡の表にあります言霊の呼吸「重」「中」「軽」で説明をしますと以下の通りです。

重の剱〜呼の息で螺旋する タカアハラ(光明遍照の神力)

軽の剱〜吸の息で螺旋する タアマハラ(摂取堅縛の神力)

中の剱〜呼吸が螺旋で繋ぐ カアマハラ(円融無碍の神力)

和良久の稽古をされています方は、体で行っていますので一目瞭然であろうと思います。

このタカアマハラには「ナリマセル」という言葉が続きます。この「ナル」とは「成る」「生る」「鳴る」の三つの意味があります。

「成る」は、相、すなわち姿、形です。(天津金木)
「生る」は、生命、活動です。(天津菅曽)
「鳴る」は、声、音です。(天津祝詞)

成るの中に「生る」「鳴る」があります。また、生るの中に「成る」「鳴る」があり、そして鳴るの中に「成る」「生る」があるのはいうまでもありません。

この「タカアマハラ」の「ナリマセル」状態が永遠に続き、常に澄み切るように無限の御活動をされる様子を「アメノ(宇宙の)ミナカヌシ(中心において総指揮をとる)ノカミ(神)」といいます。別名「ス」の神というのです。

和良久は、タカアマハラに同化しアメノミナカヌシノカミと一体となるための稽古、すなわち鎮魂帰神の神術です。


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