2014.06.23   

              第124話 「万教同根 (2)」


  さて、天津宮言経の意味としましては、般若心経や祝詞をご参照いただければよいのですが、いにしえの語彙、すなわち言霊学にしたがって申し上げれば以下のようなことですが、詳細なる解説になるときりがありません。

 よって省略し、簡潔に述べさせていただきます。

<天津宮言経>

「天津宮言経(てんしんきゅうごんきょう)」

※経とは不変の真理を意味します

一霊火水三元四魂八力 弥勒成就 天津宮言経
(いちれいかすいさんげんしこんはちりき みろくじょうじゅ てんしんきゅうごんきょう)

根之棚(こんしほう)
重韻(じゅういん) アオウエイ
凝凝解解 凝分合合 凝ウウウ 凝動静静 凝引弛弛

中韻(ちゅういん) ワオウエイ
ウ凝凝ウ解解 ウ凝分ウ解合 ウ凝ウウ解ウ ウ凝動ウ解静 ウ凝引ウ解弛

軽韻(けいいん) ヤヨユエイ
解弛凝凝 解弛凝分 解弛凝ウ 解弛凝動 解弛凝引

地之棚(ちしほう)
重韻 マモムメミ
分分静解 分分静合 分分静ウ 分分静静 分分静弛

中韻 バボブベビ
合動凝分静解 合動分分静合 合動ウ分静ウ 合動動分静静 合動引分静弛

軽韻 パポプペピ
合合動凝 合合動分 合合動ウ 合合動動 合合動引

中津棚(ちゅうしんほう) 
重韻 ザゾズゼジ
ウウ天剱解 ウウ天剱合 ウウ天剱ウ ウウ天剱静 ウウ天剱弛

中韻 サソスセシ
ウ地剱凝 ウ天剱解 ウ地剱分 ウ天剱合 天剱地剱 ウ地剱動 ウ天剱静
ウ地剱引 ウ天剱弛

軽韻 ハホフヘヒ
ウウ地剱凝 ウウ地剱分 ウウ地剱ウ ウウ地剱動 ウウ地剱引

天之棚(てんしほう)
重韻 ナノヌネニ
動動解解 動動解合 動動解ウ 動動解静 動動解弛

中韻 ラロルレリ
静凝凝動解解 静凝分動解合 静凝ウ動解ウ 静凝動動解静 静凝引動解弛

軽韻 タトツテチ
静静凝凝 静静凝分 静静凝ウ 静静凝動 静静凝引

高天之棚(こうてんしほう)
重韻 ダドヅデヂ
引引解解 引引解合 引引解ウ 引引解静 引引解弛

中韻 ガゴグゲギ
弛凝凝引解解 弛凝分引解合 弛凝ウ引解ウ 弛凝動引解静 弛凝引引解弛

軽韻 カコクケキ
弛弛凝凝 弛弛凝分 弛弛凝ウ 弛弛凝動 弛弛凝引

幸魂 和魂 直霊 荒魂 奇魂 即 愛親省勇智
(さっこん わこん ちょくれい こうこん きこん そく あいしんせいゆうち)

弥勒成就 天津宮言経

■天津宮言経の解説■

一つの霊はス声にして火と水なり。

火の体は横にして、用は縦なり。

水の体は縦にして、用は横なり。

火は火水、鏡、幽、体であり、声の発生をなす。

水は水火、剱、顕、用であり、イキの発生をなす。

火と水は組まれ火水と水火となる。

縦には水の中に火がはいり、横には火の中に水がはいる。

火水はカミであり火の凝り、父の一滴。

水火はイキで水の広がり、母の胎。

火はさらに火水にかさなって火火水(かがみ)となり。

水はさらに水火にかさなって水水火(つるぎ)となる。

火火水は言すなわち体を、水水火は行すなわち力をつかさどる。

火と水は同時に存在し心すなわち玉(霊)となる。

これにて霊力体うちそろい三種の神器という。

この一霊なる幽は火水によって宇宙を創造す。

一霊は呼気し左旋して下り、空間において真空放電、雷撃電飛をおこす。

これ幽から顕へのうつりであり、水水火という。

次に吸気し右旋して上がり、幽は顕となり、三元すなわち剛柔流に分かち天地を剖判
す。

呼気、吸気は結ばれ、呼吸となって螺旋をおこし膨縮をくりかえし球体となる。

この球体はスの言霊がウの言霊に凝ったもので、またの名を直霊という。

直霊は、やがてその運行は均衡を保ち、安定した回転となり上と中と下の三つを明らかにする。

旋回は音声アオウエイを発し、天と地を結び、水と火を結ぶ。

アオウエイは、父なる音といわれ、父なる神の霊である幸魂、和魂、荒魂、奇魂なる四魂と、父なる神の力である凝解分合動静引弛の八力を有し、万物を修理し固成し、生成し化育す。

四魂、八力は経緯あって、八つの釣り合わせをもつ。この八つの釣り合いを八剱という。

アは、幸魂にして緯となり凝解となってはたらく。

オは、和魂にして経となり分合となってはたらく。

ウは、直霊にして経緯同時にあり、結びとなってはたらく。

エは、荒魂にして経となり動静となってはたらく。

イは、奇魂にして緯となり引弛となってはたらく。

また、五つの音声は、それぞれに十五の音をもち七十五声となる。

アは、アワヤを基として、アオウエイ、ワヲウエイ、ヤヨユエイを。

オは、モボポを基として、マモムメミ、バボブベビ、パポプペピを。

ウは、ズスフを基として、ザゾズゼジ、サソスセシ、ハホフヘヒを

エは、ネレテを基として、ナノヌネニ、ラロルレリ、タトツテチを。

イは、ヂギキを基として、ダドヅデヂ、ガゴグゲギ、カコクケキをふくむ。

七十五声は火と水を組ませて形となり、七十五剱は水と火をはたらかせて力となる。

七十五の音声より生まれる形と力は、さながら荘厳な御殿のようである。

縦には、アの初柱、オの内柱、ウの中柱、エの外柱、イの留柱の五本の柱。

横には、アの根之棚、オの地之棚、ウの中津棚、エの天之棚、イの高天之棚の五つの
棚が組まれている。

屋根にはウ列の言霊、四方の壁にはア列、オ列、エ列、イ列の言霊がはりめぐらされ、

堅固にして永遠に崩れることのない御殿を形成している。

これをイヤヒロドノ(八尋殿、弥紘殿)という。

また、この御殿が建つ世界を高天原(タカアマハラ)といい、ちょうど蓮の花の形状をしている。ここは火と水の結びが常に行われイヤヒロドノを守る。

タカアマハラとは、完全に均衡のとれた螺状旋回の世界である。

遠心力なる光明返照、求心力なる摂取堅縛、遠心力、求心力の同時に存在する円融無碍などのはたらきあるところである。

弥勒成就とは、このタカアマハラをわれらに写すことにある。

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以上、かなり説明不足ですが、何とぞご容赦ください。

一見、難しいように思いますが、要は「永遠に変わらないものにこそ本当の価値がある」ということを教えていると思います。

イエスの言う「おのれのごとくひとを愛しなさい」であり、仏陀の言う「すべては空である。なにものにもとらわれるな」ということかもしれません。

「火は水であり 水は火である

吸うは吐く 吐くは吸う

凝るは解く 解くは凝る

分かつは合わさる 合わさるは分かつ

動くは静まる 静まるは動く

引くはちぢむ ちぢむは引く

ひとつはすべてである、すべてはひとつである

あなたはわたしである わたしはあなたである」

そろそろ、わたしたちは「超える」ことを決断する時期を迎えねばなりません。

そのための稽古であると思います。





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