2016.05.24  

            第149話 「ツムガリノタチ」

剱は一名「ツムガリノタチ」と言います。

「ツム」は、掴む、突く〜「・」

「カリ」は刈る、切り祓う 〜「━」

「タチ」は断つ、両断する〜「┃」

   

ツムガリノタチを、印で表せば「・」「━」「┃」となります。

すなわち神の象徴である「╋」を顕現させるのが、ツムガリノタチのはたらきです。

言霊で言えば「・」はウ(直霊)。

「━」はア(幸魂)とイ(奇魂)。

「┃」はオ(和魂)とエ(荒魂)。

ツムガリノタチは、父音アオウエイ、すなわち父なる神の権威を現す神剱発動の意味を持っています。

   

剱の打ち方は、ただ振るだけでなく、その時の技を使う者のポジションで、次のような種類の打ち方があります。

■叩

上段に振りかぶり真下に叩くようにして切り下ろす。

■割る

剱を垂直に立てて刃筋を相手に向け、真正面から割るようにして打つ。
ごく近距離からの打ち方。

■突く

剱の先で相手を刺し通す。

■引く

剱の柄あたりから打ちを入れ、剱の先にかけて体重をかけて引きながら切る。
相手と接近した際に使われる切り方。

■押す

相手と離れた位置から近づきながら切り込む打ち方。
剱の先を相手に入れ、手元に向けて押すようにして切る。

   

また、剱は当てるのではなく、打ち込むことが肝要です。

当てるというのは、表面を触るだけのものです。大事なことは当てた後に「入れ込む」ことです。

例えば野球で投げてきたボールをバットを振らずにただ当てると、ボールは飛んでいかず転がっていきます。

しかし、ボールが当たった後にバットを振り切ると、当たったタイミングと角度さへ良ければホームランとなります。

武道は競技スポーツではありません。

互いに真剣なる水火を放つ命を賭した神事です。

剱を稽古するものにとって、悪魔に勝つか負けるかの霊界戦争です。

稽古は己の心魂を磨く場であると同時に、邪神どもとの真剣勝負の場でもあります。