2006/11/06  

第5話 最先端の心理学との比較

 皆さん、日本古来の魂の考え方はどうでしたか?なかなか合理的だと思いませんか?しかも発達させることができるのは、私たちが生きていく上で、大きな力づけになると思うのです。

 さらに、現代心理学の知見である5因子論と一霊四魂の考え方をさらに比べてみましょう。そこからさらに深い人間の洞察が得られるかもしれません。

 

◆5因子論と一霊四魂の共通点と相違点

 先に述べたパーソナリティの最先端の考え方である5因子論と、一霊四魂は極めて似ている考え方である、と述べてきました。では、この二つには、どのような共通点と相違点があるのか、もう一度ここで整理しておきましょう。それが、このプロジェクトにおける日本古来の魂の考え方を実社会で応用するのに極めて大切だからです。

 

1.共通点

5因子論における5つの特性は、一霊四魂の5つの機能とかなり一致します。

現代心理学の代表的な5因子論の考え方は、先端の科学が導き出した理論です。その理論にも勝るとも劣らない基本的な考え方が、古来日本に存在したということは、驚嘆に値します。

 

2.相違点

ただ、一霊四魂の考え方は、5因子論と表面は似ていますが、二つの質的な違いがあります。

(1)一霊四魂は人格の統合を説明できる

一霊四魂の考え方では、直霊が4つの機能をコントロールするということです。

一方、5因子論では、5つの特性が並列に分類されただけであり、どれかが特別な存在ということはないのです。この考え方では、5つの特性がどのように統合され、安定した人格が存在するのかを理論的に説明できないことになります。

なぜなら、5因子論は、辞書から性格を表わす形容詞を抜き出してきて、統計的にお互いに干渉し合わないグループがいくつあるかということをまとめただけであり、それらをコントロールする機能に関しては何も言っていないからです。

 

ですから、5因子論は一元論ですが、一霊四魂の考え方は、直霊が他の四機能をコントロールするという考え方なので、二元論といえます。これによって、人格がどう統合されているのかを説明できるのです。

 

(2)魂は発達し、その発達段階も提示できる

もう一つの違いは、魂(性格)は、発達するかしないかという点にあります。5因子論には発達するという概念がありません。5因子の発現は、遺伝的なものだと考えられているからです。

つまり、5因子論では、「性格は遺伝的に決定されていて変化しない」という前提があるからです。実際に、DNAの中に性格因子を探す研究が行われています。性格は生まれつきで変わらないもので、たとえ変わったとしてもそれは学習によるもので、別物なのだと考えているのです。

すると、5因子論からは、その人の人格を磨こうという発想は出てきません。変化せず、人格は固定したものですから、そもそも磨くものではないわけです。

 

一方、一霊四魂の考え方では、「魂は豊かに成長する」ということです。「魂は磨くもの」「発達していくもの」と考えるのです。

このような考えのなかからは、「魂が発達するのであれば、発達させようではないか」という発想が湧いてきます。しかも、その発達段階まで提供しているのです。

 

 この2つの相違点は、人生への応用という視点からみると、重大なものとなります。

確かにパーソナリティを科学的に説明するには、5因子論が今もっとも最先端であるかもしれません。しかし、その五因子に対応する日本古来の一霊四魂の考え方があり、さらに、それは、私たちの人生をさらに豊かにしてくれる可能性を提供していると思うからです。

 

それは、魂(性格)因子は、コントロールでき、さらに、発達させることができるという発想をもたらしてくれるのです。

人間を科学的に研究している人たちは、私がそうであったように、「データはあるのか」「統計的な分析はしたのか」という疑問を持たれるかもしれません。しかし、人間のパーソナリティは5つの特性(因子)から成り立っていることは十分なデータがあり、それは一霊四魂にも当てはめることができます。

 

要は、「発達するのか、そしてその発達過程は存在するのか」という一点が焦点になります。いままで私たちの多くは、「性格は直らないもの」「修正できないもの」「三つ児の魂百まで」と考えてきました。

 

しかし、私たちは、これまで変わらないものとされてきた「性格」を、「魂」は磨かれ、豊かに進化するという視座から、実生活において、臨床的に検証していくことができるのです。この磨くという過程で、自分や人の考えや想いがわかるようになり、人間関係に革命的な進化をもたらすことができると、私たちは確信しているのです。

 

 あなたは、この可能性にワクワクしませんか。

 

次章からは、一霊四魂の考え方をベースに、私たちが開発してきた「四魂の窓」の核心に触れていきたいと思います。

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