2007/03/12  

第14話 仕事を前進させる

〜〜相手の聴き方は自在に創ることができる〜〜

意思疎通には聴き方の構えが大切

 
 
人がどの聴き方をしているのかがわかれば、私たちは、自分の話がどのように相手に受け取られるかを予測することができます。無用な誤解や相手との意思疎通の問題をあらかじめ避けるために、相手の聴き方の構えを創ることができるのです。なぜなら、強弱はありながらも人は四つの聴き方を持っているからです。

 

 上司がいきなり部下の作った企画書に、「これは間違っている」と注意したとき、部下はさまざまな反応をします。それはさまざまな聴き方があるからです。したがって、あなたの話が受け入れられるためには、相手側が聴き方を準備できるように、第一声を発してやればよいのです。

 例えば、相手に「良い企画書にするために、コーチをしていいですか」というように、話す目的を伝え、相手の許可を求め、「わかりました」とうなずけば、その後は、ストレートに話すことができます。

 

●愛の聴き方 「私を嫌いなんだ!

いきなり注意をされると、愛の人であれば、「嫌われている」、ましてや皆の前なら「ハジをかかされた」と、愛マイナスで聴いて、恨みに思うかもしれません。「私を嫌いなんだ!」というわけです。

 

でも聴き方の構えを創るために、「あなたのために話していいですか?」と言えば、相手は「自分のために言ってくれている」と愛情を感じることができます。これで聴き方の構えを創ることができるのです。

 

●智の聴き方 「あなたが間違ってるんじゃないの!」

いきなり注意をされると、「智」の人は、「私が間違っているわけ、言ってみなさいよ」と智マイナスで聴いて、あなたの話は受け入れられないでしょう。それは、智は「バカだと思われる」「底が知れる」ことを、最も怖れているからです。

 

あなたは、智プラスの聴き方を相手に創らねばなりません。それには、「問題の解決をしたいのだけど、それについて話したい」と言えば、智は、対象を「自分の能力」から、その問題自体を対象にして、客観的に話をすることができるでしょう。その問題について、自分がバカだと否定されることはもっとも嫌なことなのです。

 

また、話す内容が漠然として特定されていないと、聴く気がしないのです。何を焦点にしているのか、どこが解決するべきところなのかに的を絞って話をすると、それを考えよいアイデアを出すことは、「智」が最もやりたいことなのです。

 

勇の聴き方 −「私を攻撃するのか!」「私に挑戦するのか!」


 勇はいきなり注意されると、挑まれたように聴いてしまい反撃に出てしまいます。あなたに負けるわけにはいかないのです。これでは、仕事は前に進みません。

 

「君にコーチをしたいのだけど、いいか」とストレートに話をすれば、「はい、わかりました」と驚くべき素直さで話を聴いてくれます。攻撃されるのではないという「聴き方の構えが」ができるからなのです。

 

親の聴き方 −「やることやっているよ!」「言われたことはやっているよ」

 親は皆のために役立ちたいと願っています。いきなり注意されると、「やることはやってますよ!」「あなたに言われたことはやっているのに、なんだよ!」と心の中で思ってしまうのです。そうなると、あなたの言うことは、耳を閉じられ受け入れられないのです。

 

もしあなたが、「皆の販売成績をさらに上げるために、この企画の内容について話しをしたい」 このようなことを言うことができれば、親は素直に聴いてくれるでしょう。親はもともと冷静で、仲間のために役割を果たしたいと考えているのですから、皆のために「より良くなる」のだということがわかればコミュニケーションは進みます。

 

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