2014.11.11    

第17章―11 ガンの特徴と対策 番外編
       アトピー根治のレシピ 2

アトピーを治すのには、前回で述べたように、とにかく解毒を徹底的にやることです。また、毒を体内に入れる食生活、毒を体内で簡単に発生させるライフスタイルを続けているかぎり、アトピーは(ほかの病気も)なかなかよくなりません。さて、今回はアトピー治療の補足的なレシピですが、これらも決しておろそかにはできません。

<アトピーのレシピ 3> オイルバランスで免疫の過剰反応を抑える

アトピーのために処方される薬も、ある意味毒素(体にとって異物)ですから、アトピーを完全に治すには、この薬品、塗り薬もやめたいところです。しかし、アトピーの激しいかゆみがあるのに、薬(特にかゆみ止め)をやめるなんて無理だ、とほとんどの人はおっしゃるに違いありません。このレシピは、アトピーの元になっている炎症を薬なしで抑え、かゆみなどの症状を和らげるのが目的です。このレシピを元に食事を見直せば、アトピーに限らず、ほかのアレルギーの症状も和らげることができるはずです。

(3-1) 魚介類、特に魚の油に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)を摂取する。
(3-2) 動物(牛、豚、にわとりなど)の油脂を極力控える。
(3-3) 月見草油を摂る。
(3-4) サラダ油など植物油を使う揚げ物、炒め物、ドレッシングを極力控える。
(3-5) ビタミンB6とミネラルの亜鉛を多く摂取する。

(3-1)から(3-3)は、第17章―6「豊かさの栄養学3」で相当詳しく説明したように、忍者ホルモンと呼ばれる、炎症をコントロールするエイコサノイドのバランスを調節して、アトピーの症状の元になる炎症を和らげる方法です。EPAもそうですが、特に月見草油はサプリメントでいいと思います。動物の肉を控えるのは、炎症を強力に推進する元になるアラキドン酸という油脂を肉が多く含むからです。どうしても肉を食べたければ、放し飼いで草を食べて育った動物は比較的アラキドン酸が少ないので、こちらの方がずっとましです。スーパーなどでよく売っている肉がアラキドン酸を多く含むのは、小屋に閉じ込められ、主に穀類を食べさせられて育ったためです。

サラダ油などの摂取を控えるのは、第17章―5「豊かさの栄養学2」で説明したように、オメガ6の過剰摂取を抑えて、オイルバランスを整えるためです。また、B6と亜鉛の摂取も第17章―6「豊かさの栄養学3」で説明したように、油脂を変換する酵素を活性化して、やはりオイルバランスを調整するためです。サプリメントでもいいですが、できれば、B6と亜鉛の多い食事を心がけましょう。

<アトピーのレシピ 4> 血液を酸性方向に傾けない

血液(pHは7.35から7.45の弱アルカリ性)が7.45に近づくと、つまり中性(7.0)あるいは酸性(7.0より大きい数値)の方向に傾くと、肌(4.5から5.5の酸性)も5.5に近づく、つまり中性方向に傾き、弱体化し、アトピーの症状が悪化します。ですから、血液を酸性からできるだけ遠い7.35に近づけておく(こうなると肌は4.5の強い酸性に近づく)ためには、

(4-1) 糖分を控える。
(4-2) ミネラルのリンが多く入った食品を控える。
(4-3) カルシウムなどのミネラルが多い食品を多く摂る。

血液を酸性方向に傾けるのは糖分(ブドウ糖)で、最も手っ取り早くアルカリ性に引き戻すのは、ミネラル、特にカルシウムです。リンが過剰になると、カルシウムと化合して、リン酸カルシウムとなって体外に運び出されるため、体内のカルシウムが減ります(このリンとカルシウムの詳しい関係は、第17章―3 ミネラルバランス参照。リンを多く含む食品もそこで紹介されています)。様々なミネラルが多く、それが体に吸収されやすくなっていて、さらにバランスよく含まれている食品は野菜とくだものです。

<アトピーのレシピ 5> 腸内細菌のバランスを整える

腸内細菌のバランスがよければ、例えば腸内細菌のひとつである大腸菌が他の器官に行って害を与える、つまり毒となる、といったことはまず起こりません。悪さをする菌がいなければ、免疫が出動する必要もありませんから、そのための炎症も起こりません。また、腸内細菌のバランスは免疫に直接影響を与えますから、バランスがよければ免疫は健全に保たれて的確に作動するようになり、過剰反応という暴走が起こりにくくなります。腸内細菌のバランスをよくするには、

(5-1) 食物繊維をたっぷりと摂る。
(5-2) 漬け物、ヨーグルトなど発酵食品を食べる。
(5-3) 抗生物質などの医薬品を摂らない。

腸内細菌の主なえさは食物繊維で、特にいいのは野菜とくだものの食物繊維です。また、発酵食品が腸内細菌のバランスを整えてくれます。逆に、このバランスをかき乱すのは、医薬品や食品添加物などで、特に大きな被害を与えるのは抗生物質です。

ともかく、治そうと思ったら、これはという方法を徹底的にやることです。中途半端な治療は、中途半端な結果にしかなりません。末期の重症なガン患者を何人も、独自の栄養素療法で完治させているニューヨークのニコラス•ゴンザレス(Nicholas Gonzalez)医学博士は、「治療が成功するか失敗するかの分かれ目は多くの場合、患者自身の取り組む姿勢にかかっています。治療が成功する人は、これが最善の治療だと見極めたら、レーザー光線が一点に集中して投射されるように、その治療に専念して決して脇目を振らない人です。こちらが指示した食事やサプリメントのプロトコルを完璧に守り、完全にやり遂げます」と話しています。

専門家に相談しながら治療したい場合は、アトピーの人などに、食事や栄養素の指導をして治している人たちが東京にいますから、問い合わせていただければ、連絡先をお知らせします。アトピーを治すための具体的な食事など、詳しく教えてもらえると思います。ただ、電話による質問などは無料でしょうが、具体的な食事、サプリメントの指導などは有料になると思います。
(次回は、本来のガンの話題に戻りたいと思います。)

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