2014.09.23   

第17章―8 ガンの特徴と対策 その4

今回は久しぶりに、ガンに話題が戻ります。これまで書いてきたことは、

(1)
ガンは糖分なしでは生きられないので、糖分を摂れば摂るほどガンを活気づかせる。

(2)
ガンはタンパク質の隠れ蓑(みの)を被っていて、免疫の攻撃から身をかわしているから、タンパク質を分解する消化酵素を無駄遣いしないで(つまりタンパク質を食べ過ぎないで)、あるいは消化酵素をサプリメントで補って、隠れ蓑を引き剥がすことができれば、ガンは丸裸になって免疫の標的となる。

(3)
ガン細胞は熱の代謝が悪いため、温熱療法(またはコーリーの毒素療法)で体温を摂氏43度近くまで上げられれば、ガン細胞は死滅するか、あるいは衰弱して抵抗力が弱まるので、様々なガン療法が効きやすくなる。

(4)
ガン細胞は酸素呼吸によるエネルギー生産を全くか、ほとんどしていないので、酸素がほとんど必要ないどころか、酸素に混じっている強力なフリーラジカル(活性酸素)の酸化から身を守りきれない。そのため、酸素をガン細胞にたくさん送り込めれば、ガン細胞はかなり弱体化し、一部は死滅することが見込める。

(5)
ガンの人は、ミネラルバランスを大きく崩している。最も極端なのは、カリウムが不足してナトリウムが過剰なことで、ガンの栄養素療法のパイオニア、マックス•ゲルソン(Max Gerson)医学博士のゲルソン療法は、徹底した減塩でナトリウムの摂取を止め、1日コップ13杯のにんじんジュース、野菜ジュースでカリウムを大量に補って、ガン治療に画期的な効果を上げた。

これだけガンの特徴がはっきりと分かっているのですから、これらを治療に利用しない手はないのですが、医療業界は相変わらず、抗ガン剤と放射線でガン細胞を殺すか、手術でガンを切り取ることしか、ガン治療と認めようとしません。それどころか、抗ガン剤と放射線はガン(ガン細胞)にだけでなく、体(ガンでない通常細胞)にとっても猛毒です。

(6) 死因はガンか、それとも毒か(前編)

ニューヨークで開業しているニコラス•ゴンザレス(Nocholas Gonzalez)医学博士は、ウィリアム•ケリー(William Donald Kelly)博士のケリー療法を徹底的に研究して改良を加えた栄養素療法で、ガン、特に治しにくいと言われているすい臓ガンを治すのに定評があり、主流の医療業界が認めようとしない非主流のガンの治療法の集まりでは、拍手喝采を浴び、英雄的な扱いを受けるお医者さんです。そのゴンザレス博士が口を酸っぱくするほど強調するのは解毒です。

「ガンになった人の大半は、それでなくとも体に重金属や食品添加物といった毒を相当貯めていたはずです。そこにガンの治療が始まると、死滅したがん細胞から毒が溢(あふ)れ出る。抗ガン剤は非常に毒性が強いですから、この抗ガン剤と放射線の毒が加わると、全身はそれこそ毒だらけです。この大量の毒に、腎臓や肝臓など、解毒を受け持っている器官はとても耐えられないでしょう。あれだけ毒性の強い抗ガン剤を大量に打ち込むのですから、ガンはほとんど死滅しているはずです。ですから、ガンで亡くなるというより、この毒で死ぬ人の方がずっと多いんじゃないか。」(ゴンザレス博士の2012年のロサンゼルスでの講演より)

ガンにかかって亡くなると、死因はガンだ、と医師に判断され、誰もそれに疑問を抱きませんよね。でも、直接の死因は本当にガンなのでしょうか。

私の知り合いで20年ほど前、乳ガンにかかって抗ガン剤の治療を受け、検査ではガンは消えていたのに、検査で発見できないガンがあるかもしれないから、念のためにもう一度、抗ガン剤のセッションをやろうと医師から言われ、その抗ガン剤のセッションを受けた直後に容体が急速に悪化し、その1週間後に亡くなった方がいます。それでも死因は乳ガンだ、ということになっています。

髪の毛が大量に抜け落ちる、黒髪が一気に白髪になる、”死んだ方がましなくらい”のひどい吐き気と具合いの悪さに襲われる、というのはガンというより、抗ガン剤や放射線による副作用です。また、抗ガン剤を投与すると、白血球(免疫細胞の集合)の数が減るので、減らしすぎないように抗ガン剤の量を調節するのですが、要するに、抗ガン剤は体の免疫力を弱めるということです。白血球の中には、T細胞やナチュラル•キラー細胞など、ガンを発見して撃退する免疫細胞が含まれているわけですから、抗ガン剤を投与すればするほど、体のガンに対する抵抗力も弱まることになります。

こうした抗ガン剤、放射線などの毒性、あるいは重金属、食品などに含まれる食品添加物、農薬、殺虫剤などの毒素を体から排出する解毒法で、最も多く使われているのは、おそらくコーヒー浣腸です。これを最初に本格的にガン治療に使ったのは、マックス•ゲルソン医学博士で、1928年ころです。博士がコーヒー浣腸を採用したねらいは、もちろん体全体の解毒ですが、特に肝臓から毒素を追い出して、肝臓の負担を軽くすることです。博士はガンを予防するうえでも、ガンを治療するためにも、肝臓が一番重要な器官である、と考えていました。

肝臓は様々な酵素の生産工場であり、解毒でもとても重要な役割を果たしています。血液で運ばれて来る重金属、食品添加物などの毒素や、ガン治療によって死滅したガン細胞の死骸などは肝臓で吸い上げられ、胆汁に混ざって、胆管から腸に流し込まれます。そして、腸から大便に混ざって、これらの毒素は体外に排出されます。特にガン治療の最中には、ガン細胞の死骸がどんどん肝臓にたまります。

コーヒーに含まれているカフェイン、テオブロミン、テオフィリンには気管や血管などの管を押し広げる働きがあり、これらが肝臓に到達すると、胆管を押し広げます。肝臓と腸をつなぐ排出口の胆管が広がるわけですから、肝臓の解毒が促され、肝臓の負担が軽くなります。

コーヒーは浣腸で入れると、カフェインなどコーヒーの成分の大部分が肛門の近くで吸収され、痔静脈(じじょうみゃく、肛門の近くにある毛細血管)、門脈を通って肝臓に到達します。ところがコーヒーは口から飲んだ場合、肝臓に到達する成分はごくわずかです。むしろ、コーヒーを飲み過ぎると血液を酸性の方向に傾けますので、ゲルソン博士は特にガンの人には、コーヒーを飲むのは避けるように指示しています。また、カフェイン、テオブロミン、テオフィリンはお茶の葉などにも含まれていますので、浣腸に使うのはお茶などでもいいのですが、コーヒーが一番効き目があるようです。

コーヒー浣腸の解毒効果はこれだけではありません。コーヒーの成分が肝臓に届くと、特にカフェインによって、肝臓の中のグルタチオン•S•トランスフェラーゼという酵素が非常に活性化されます。この酵素は、グルタチオンの抗酸化作用と解毒作用を仲立ちする触媒として働きます。

グルタチオンはタンパク質の一種で、私たちの体の中で合成されます。強力な抗酸化物であり、特に細胞膜の酸化の連鎖反応を食い止める働きが知られています。またグルタチオンは、抗生物質などの薬品、食品添加物などの化合物といった、体にとって不自然な物質にくっついて、液体に溶け込むという性質も兼ね備えています。ですから、グルタチオンに結合された薬品や化合物は、肝臓の胆管から、胆汁などの液体と一緒に腸に押し流され、便と一緒に体外に排出されます。これがグルタチオンの解毒作用です(日本では奇妙なことに、グルタチオンが薬物と認定されていますので、薬局以外がサプリメントとして販売することが禁じられているため、広く流通することができないという、変な規制がかかっています)。

コーヒー浣腸は、がん治療によって死滅するがん細胞や様々な毒素を肝臓から排出するだけでなく、フリーラジカル(活性酸素)の中和を助け、体にとって不自然な薬品や化合物などの排出も促進しますから、非常に広い範囲の毒物を体から排除する解毒法と言えそうです。(続く)

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