2009.06.08  

第5話「新生・リッチエイジング!」

お久しぶりになってしまいました。

この半年の間で、私の身のまわりの環境は、ずいぶん変わりました。
まず、結婚をしました。結婚するなら彼しかいない、と決めていた人でした。なので、今、毎日がとても幸せです。

そして、妊娠をしました。早く子供を授かりたいと思っていましたので、妊娠を知ったときは信じられない気持ちでした。あまりにも順調に授かり、幸せを感じながらも本当だろうかという、現実を受け入れられない戸惑いのような気持ちもありました。今、3ヶ月になります。仕事も減らし、日々身体の変化を感じながら、心も身体も母親になる準備をしているのを実感しています。そして、私の生きている世界が少しずつ変わってきています。

そんな私が、また、連載しているこの文を書くまでに、たくさんの時間が必要でした。その、色んな想いが皆様の何かに響けばいいと思い、今回はそのことについてお話したいと思います。

<リーダーに資するなんて>

このサイトを管理して下さっている「寺子屋」塾の大番頭の方に、結婚を控えているころから「毎月1回のペースでお願いします」とお願いしていました。1月25日に結婚式を終え、2月には新婚旅行に行き、たくさんの方々に祝福して頂きながら新しい生活を始めていました。

2月、3月とアップロードに間に合わず、文章を書いても、その大番頭から多くのフィードバックを頂き、何となく、納得の行く内容ではないと自分でも感じていました。自分でも今までのように書けていないのを実感していました。

「何故だろう・・・」自分ではなんとなく気づいていました。心境の変化があったのです。

私はもともと不器用な人間です。情熱を傾けることが1つじゃないと成り立たないところがあります。あれもこれも、同時進行して、平均点の成績を上げることができないタイプです。少し過去の話にさかのぼりますが、以前、この文章でも触れたように、私は二十歳になって早く社会にでたいと思っていました。

<幸せの裏に>

自分が社会でどれだけ通用するのか、試してみたいという気持ちが強くありました。そして、平成7年、世の中はバブル崩壊後の不景気な時でした。「営業は大変だ」とか「男は営業」と言われたところに魅力を感じ、生命保険の営業職に就きました。そして、社会の厳しさと温かさを少し知り、本当に自分のやりたいことが見つかったら、社会人になって稼いだお金で勉強しようと思っていました。

縁あって、フィットネスのインストラクターに魅力を感じ、フィットネス業界に入り、スタジオでのインストラクターを経てパーソナルトレーナーという仕事をしていました。この世界に入り、11年が過ぎ、多くの経験をさせて頂きました。その間、今の主人と出会い、結婚する決意をしました。

「決意」という言葉を使ったのは、私の中である覚悟があったからです。主人は今まで私が出会った男性の中で、比較にならないくらい、いちばん尊敬をしているし、私が夢中になった人でした。その人と結婚できるのに「決意」なんていう言葉を使うのは、ちょっと違う気がしますが、私にとっては理由があったのです。

私は自分が情熱を持って頑張ってきた仕事がそのまま続けられるのは、結婚するまでだと決めていました。私なりにフィットネスに対して、多くの愛と時間とお金を注いできたし、私の視点はいつも仕事のこと、お客様のことが先にありました。買い物をして、良さそうな靴のインソールが見つかったら、足裏の傷害をもったお客様のために買っておこう、とか、本やテレビで心にぐっとくる言葉づかいを見つけたらメモしてレッスンで使ってみたり、過去のセッションを振り返って、もっと他のアプローチはなかったのか、とあらゆる引き出しを開いてみたり、24時間、休みの日も、いつも仕事のことが頭にありました。
それが自然で、一番自分らしかったのです。

そんな私が、人生で大切なものを見つけて、これからは彼と二人で生きていく、となったときに、もう、優先順位が入れ替わってしまったのです。彼が気持ちよく、日々生活できるように、彼の仕事を影でしっかり支えられるように生活を整えることが私の第一優先になりました。逆に言うと、その優先順位を入れ替えてくれるような人でなかったら結婚したくなかったのです。自分のキャリアがもったいなくて。

私にとっては、結婚するときは自分の仕事に整理をつけるとき、と覚悟が必要でした。
今までと同じペースで仕事が出来なくなった時点で、プロとしての意識が緩んでしまうような気がしましたし、結婚して、家庭を二の次にして仕事する自分はイヤでした。
私は不器用な上に欲張りで、キャリアも幸せも、両方欲しいと思っていましたが、それを実現するには、時期を分けるしかないと思っていました。

結婚しても仕事は続けていましたが、量を減らし、調整をしていました。そして、出来るなら早く子供が欲しいと思っていました。そう思っている矢先に、妊娠したのを知りました。

まさにトントン拍子でした。こんなに幸せなことはない、と本当に思いました。あまりにも順調すぎてコワイくらいでした。
でも、その頃から、文章が書けない、私の葛藤は始まりました。

<本音を書け!>

今まで書いてきたこの文章は、人生経験が少ないながらも、自分の専門分野を通していたから書けたようなものです。この「寺子屋」塾の趣旨は、志あるプロフェッショナルが志あるリーダーに資するために書き下ろすことです。
徐々に仕事を引き継ぎ、来月にはほぼ無職となり、主人の扶養に入ろうとしている私が、お腹に赤ちゃんがいて全然仕事モードでない私が、世の中のリーダーに何を資すれるというのか、と思ったのです。
そんな資格、私にはないと思いました。

大切なお客様を、信頼するトレーナーに次々にお願いし、徐々にセッションの数を減らしてゆく中で、自分の時間が増え、少し考えました。社会からどんどん遠ざかってゆき、接点が少なくなってくると、不安ばかりが大きくなりました。出産したら戻ってきます!必ず復帰します。とも言い切れませんでした。「出産したら価値観が変わってしまうのではないか。1年後、自分がどうなっているか想像できないな」という漠然とした思いもありました。

私は信頼している「寺子屋」塾塾頭のもとを訪れ、自分の想いを全部聞いてもらいました。

すると、その方は
「今、言ったことを全部書けばいいんだ」
と、おっしゃいました。

「その気持ち、志をもつ世の中の多くの女性は同じことを考えているよ。専門分野から何か言うより、よっぽど人の心に残る。そして、あなたと同じように志を強く掲げているトレーナーがいるでしょう。その人たちにインタビューしたらいい。違った視点で文章が書けるよ。現場にいないからこそ出来ることがあると思うよ!」

という言葉をいただいたのです。

私がこの「志あるリーダーのための寺子屋塾」を続ける目的は、多くの人に「フィットネスを通して頑張っている人の健康を守る」ことでした。

もしかしたら、身体を動かすのが億劫な人には、現場から何かを訴えていても、気持ちが通わないかもしれません。

この、「寺子屋」塾の場に自分がふさわしくないと思い、生きる世界が変わった者はもう、子育てサイトだとか、ママブログだとか、そんな場がふさわしいのではと、自分で世界を狭めていました。それだけ、この場は私にとって緊張するもので、神聖な所でありました。でも、人に何かを伝えるには、近くで見たり、遠くに引いたり、上から見たり、ナナメから見ながら耳をすませたりしないと共感は呼べないだろうし、何より今できる100%を本音でぶつけないと、人の心には響かないということに、あらためて気づきました。

自分の立場が変わったことで、これからは違った内容を皆様にお届けできるかもしれません。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします!

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