2010.08.31    

第6話「母のリッチエイジング」

皆さん、お久しぶりです。

長い間ご無沙汰してしまって、申し訳ありません。
 
 第5話で、妊娠3ヶ月でしたが、今は生後8ヶ月の女の子の赤ちゃんと、主人と育児に奮闘する毎日を送っています。

 

<ビフォーアフター>

自分が出産を経験することが出来て、はじめて知ったことがたくさんありました。何しろ我が子を産むまで、子供がこんなに可愛いものとは思いませんでした。一日中子供につきっきりで自分の時間はないし、夜は何度も起きて授乳をし、泣き止まなければずっと抱っこをするし、産後の身体はあちこち痛かったり、髪の毛が抜けたり、肌が荒れたり体型が崩れたりと色々ですが、自分のことは後回しで、まず子供のことを第一に、と自然と考えるようになりました。子供をいとおしいと思う気持ちがあふれて、大変だとは思わずにできてしまうのが、自分でもびっくりしました。

第5話では、今まで仕事に夢中になってきた人生しか知らなかったゆえに、現場を離れることに戸惑いがあることや、社会から遠ざかる自分の存在がこわいと思うこと、またそれとは裏腹に結婚し子供を持つことに幸せを感じていることなど、不器用な私の複雑な心境を書いていました。

そして、「こっち側」の人間になってはじめて感じたことや、現場を離れてみて気付いたことなどを通して、1年越しではありますが、再び「志のためのリッチエイジング」を続けて行こうと思います。そして、第5話で触れたように、色んな人にインタビューしながら、「リッチエイジング」について進めてゆきたいです。

 

<肉食女子はヤマトナデシコママになる>

このタイトルは、あくまで私個人のことです。子育てを始めて、愛情が湧き出てくる感覚を掴み、その様子をヤマトナデシコママと表現してみました。

トレーナーの私が出産を経験し、赤ちゃんを育ててゆくと、「人間ってこうして進化してゆくんだな」「女性の身体はうまくできている」と思いますし、女性として出産、育児を経験すると「愛情って、こういうものなんだな」とか「育てるって、こういうことなのかな」などと見方が違ってきます。私の中にも、仕事のクセで見てしまう視点と、母親としての目線が両方あるように思います。

そして、自分の立場が変わって、ものの景色も違ってみえてくるのでしょうか。私はこの1年で女性の偉大さを知りました。出産するまでは現場に未練があったけれど、自分のお腹から出てきた我が子をみたら、それはもう・・・!、今まで感じたことのない幸せを感じることが出来ました。

そして、そのことを知らないで、ただ仕事を失うことを恐れていたんだなと、過去の自分をあたたかく思いやることができました。「家庭をもちなさい」「子供を育ててみなさい」とは、自分の親世代の人からよく言われていましたが、ピンときませんでした。

自分がうちこんできた仕事を清算する気持ちを理解してくれ、家族を作る幸せを教えてもらったことはありませんでした。きっと、教えてもらうことではないのでしょう。でも、20〜30代前半、仕事に生きがいを感じて生きていたので、自分から仕事を取ったらただ、息を吸って吐いている人間でした。

自分には母性がないかもしれないと思っていましたが、ちゃんと潜んでいたことにも安心しました。さらに、健康に妊娠、出産できることがどんなに恵まれた環境にいるのか、それにもっともっと感謝すべきでした。

最近は晩婚化が進んでおります。私はフリーのトレーナーでしたが、さまざまな分野で、15、20年、それ以上働いている女性はたくさんいます。そうすると高齢出産する女性も増えて、私と同じように仕事のキャリアと、女性の幸せの狭間で悩む人もいるかも知れません。

そんな立場にいる、世の中の女性の役に立てたらうれしいです。

日本の政界で大活躍している野田聖子議員も、念願の母になるためにあんなに努力をしていることも、最近知りました。

インテリアコーディネーターをしている、ある人の「今まで多くの色んな仕事をしてきたけれど、一番難しかったのは子育てだった」という言葉は、とても印象に残っています。

私の志は「頑張っている人を応援する」ことです。その人の身体をしっかりケアして、いつまでもその人の頑張るステージで活躍できるよう、健康な身体を維持してもらうことです。インタビューする人はさまざまですが、肉食女子トレーナーとしての目線、そしてヤマトナデシコママとしての目線からリッチエイジングを伝えてゆこうと思います。たくさんのヒントがつまった「志のためのリッチエイジング」にしてゆきたいと思います。

そうそう、志がなければ、産後の体型も戻せないんだと痛感いたしました!

その話はまた別の機会にして、一番身近で尊敬する私の母に、短いですが普段の会話からインタビューしてみました。

 

<母のリッチエイジング>

私の母は4人の子供を産み、育てました。父は自営業で家庭と仕事の区別もなく、責任者だったので、朝も夜もなく仕事のことばかり頭にあった人でしたので、家庭のことは母が守っていました。祖父母とも同居しており、にぎやかな家族でしたが、今回、母目線で会話したのは初めてでした。

「お母さんは、20代〜30代までに4人の子供を産んで、50歳近くまで育て、お父さんの仕事の経理もやり、おばあちゃんのお世話もしていて、ほとんど自分の時間がなかったよね。ストレスはかなりたまった?」

母:「たまらないよ。お母さん、子供すきだもの」

私:「じゃあ、子育てをしていて、一番辛かったことは?」

母:「う〜ん・・・、自分が育てていたときは夢中だったから、毎日毎日子供のことを考えているうちに巣立っていってしまったから、ないよ。」

私:「・・・。ないの?じゃあ、子供のこと以外で、私たちを育てていたとき、自分で気をつけていたことはある?」

母:「子供のこと以外なら・・、自分が倒れたら何もしてあげられないから、健康でいようとは思ったよ。そして、あなたが出産するまでは、どんなことをしてでも見守ってあげなきゃと思ったね。無事、1人産むまでは死ねないと思っていたよ」

私:「そうなの・・。」

母:「それから、私は妊娠した子を全員産めたから、本当に幸せだったよ。子供は生きがいだもの」

私の母は、男だらけの家庭にポッと照らす太陽のような存在です。母の世代にはこんな人が多いように思います。自分の「リッチエイジング」には、子供という存在だけで充分、という印象を受けました。自分の時間だとか、そんなことには全く興味もなく、ただ子供だけをずっと見守り続けて、育ててくれたのですね。まっすぐで直球の愛情を受け続けた私は、母に育てられたことを誇りに思い、これから、色んな人に愛をたっぷりもってインタビューしてゆきたいと思いました!

 

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