2006/10/09 
2008.07.22  

第4話 過去世の法則・人間関係(その2)

 私たちは、自分が接する人といい関係を持ちたい、できることなら好かれたいという願望を抱いています。ただ、残念ながら、なかなかその願いが叶うことはありません。どんな人でも、「どうもあの人は私を嫌っているようだ」「何だかあの人とは上手くいかない」と感じることはあるのではないでしょうか。

 

私は、そのように感じる原因は二つあると思っています。

一つは、知らないうちに相手を傷つけるような言葉を発したり、行動を取ったのかもしれないということです。そういうことを感じる時、私は心の中で、まず相手に向かって「ごめんなさい」と謝ります。すると、本当に不思議なことに、急に笑顔を見せて、フレンドリーな態度で接してくれるようになるのです。これは、あなたが心の中で本気で謝ることで、相手の心に働きかけることができるからなのです。

 

もう一つの原因は、過去世です。

第3話で、「苦手だ」と感じる人は、過去世でその相手を傷つけたり、恨みを買っていることが多いので、心の中で「ごめんなさい」って謝ると関係が変わってくるという話をしましたが、試していただけたでしょうか?その相手との関係に変化はありましたか?

 

「そういえば、何だか少し私に気を遣って話してくれるように思います」というあなた、本当に良かったですね!それは、あなたが謝ったからです。実践してくれて、本当にありがとうございます!

 

「あんまり変化を感じないなぁ」と思った人も、もう少し続けることはできますか?その方と一緒だった過去世は一度や二度ではないのでしょう。そして、かなり深く傷つけあった過去世もあったのかもしれません。その方との関係を改善するためにと思って、途中であきらめずに、もう少し続けてみて下さい。

 

それでも、「ごめんなさい」と謝り続けても変化がない場合があります。それは、相手の魂が、あなたの謝罪ではなくて、他のことを要求しているからなのです。今回は、「ごめんなさい」と思っても、関係になかなか変化がないときにどうすればいいのかを見ていきましょう。

 

 

「ごめんなさい」の次は「愛してます」

 

過去世とは不思議なもので、自分の家族や恋人、職場の同僚などの身近な人たちとは、実は何度も一緒の過去世を過ごしています。特に家族は、過去世においても家族として過ごしていたことが多く、関係の深さをあらわしています。今回は、離婚したいと考えているご夫婦の関係を観ていきましょう。

 

空が抜けるように澄んだ秋晴れの日に、透き通るような白い肌で、どことなく寂しげな女性がいらっしゃいました。「どんなものか興味があったので一度受けてみたかったんです」とのこと。簡単にご家族やお仕事、体調のことなど伺うと、一通り話し終わった後に、「実は今、できるだけ早く離婚したいと思っているのです」と言いました。

 

私は、まずその女性の胸に手をあてて、心にエネルギーを入れていきました。会社のストレスによる心の疲れがどっと出てきました。しばらく疲れを溶かしていると、今度はご主人に打ちのめされている様子が伝わってきます。初めは「暴力を振るわれているのかしら?」と思ったのですが、打ちのめされている想いに聴いてみると、「いいえ、言葉の暴力なんです」と伝わってきました。

 

そのことをご本人にお伝えすると、「そうなんです。なので、もうできるだけ主人には近寄りたくないし、早く離婚したいんです。」とため息をつきます。

 

次に、ご主人の想いが伝わってきました。奥様の「近づかないで!」というバリアに阻まれて、近づくことができず、遠くから奥様を見つめています。奥様にひどい言葉を投げつけているとばかり思っていたのですが、奥様のことが本当は好きで好きでたまらないのに、可愛そうに「いつ捨てられるか」とビクビクしているのです。

 

どうしてかしらと思いつつ、ご主人の想いを奥様に伝えると、「もう1年ぐらい前から、この人とはやっていけないと思って、距離を取っているので、最近は会話もないんです。彼は確かにビクビクしている感じなんですけど、もう今さら遅いんです」とのこと。

 

「ご主人の想いを溶かすために、ご主人の心に向かって『愛しています』と思って頂けますか」と言ったのですが、返事をしてもらえません。「心を込めないでも、まずは形だけでいいんです。言葉だけでもご主人の心に伝わって、あなたとの関係に変化がでてきますから」と言って、ようやく「わかりました」と受け入れてくれました。

 

しばらくすると、お二人の過去世の様子が伝わってきました。そのときも夫婦なのですが、今と反対で、奥様が過去世のご主人です。過去世のご主人(今の奥様)は、当時の奥様(今のご主人)に対して暴力を振るい、浮気もし、散々泣かせています。ご本人に説明して、「ごめんなさい」と謝ってもらいました。

 

次に出てきたのも、また夫婦だったときの過去世です。今度は、今と同じ性別ですが、ご主人は外に女性がいて、ちっとも家に帰ってきません。たまに帰ってきても、奥様が精一杯用意した夕食も食べずに、すぐに女性のところに戻ってしまい、奥様は泣いてすごしていました。

 

このように次々と二人が夫婦だった時の過去世が出てきました。「お二人は何度も過去世で一緒だったのですが、お互い傷ついてばかりですね。ご主人に謝るだけでなく、相手の傷を癒すと思って、愛を送ることはできますか?ご主人を思い浮かべて、『愛してます』と思っていただけますか」と言うと、今度は素直に「はい」と受け入れてくれました。

 

しばらくして、魂に意識を合わせると、次第に明るくなってきました。

 

「ご主人の良いところを言ってみてください」今度は、彼女に質問です。

「私を大切に思ってくれているところ。あとは、一生懸命仕事をするところかな」

「そうですね、彼は、本当にあなたのことが大好きなようですね」

「・・・はい」

「それなのに、あなたは彼をはねつけていますね」

「・・・はい」

「どうしますか、ご主人と向き合ってみますか。それとも、このまま結婚をやめる方向に進みますか。どちらを選ぶのもあなた次第です。どちらにするか考えてみて下さい」

すると、彼女は「向き合ってみます」と応えました。

 

1ヶ月後にいらした彼女にご主人とのことを聞いてみると、「あの後主人と話し合って、もう一度やり直してみようという気持ちになりました」と少し明るくなった顔で仰いました。

 

身近な人である家族は、たいてい前世でも夫婦だったり親子だったり関係の深い人たちです。その関係が上手く行っていないというのは、『その相手とその試練を乗り越える』というのが、あなたの今回の人生の課題の一つでもあるのです。離婚には非常に大きなエネルギーを注ぐことが多いですが、それは相手との過去世からの関係によってもたらされた課題が解決していないからなのです。

 

なかなか離婚できない人や、離婚をしたいと思っている人、親子の関係が上手く行かないという人がいらしたときには、相手の魂を思い描いて、「愛してます」と言い続けていただくようにお願いしています。相手のせいで嫌な想いをし続けているときは、「ごめんなさい」を。

 

「相手が謝るべきでしょう!?」と思うでしょうが、過去世の清算として、今の人生で嫌な想いをさせられているので、こちらが謝るのです。そうしていくことで、過去世からの課題をこなしていくことになるのです。

 

過去世からの課題をこなしていくと、今回ご紹介したように、関係に変化が現れます。

「長引いていた離婚訴訟が解決した」「離婚したいと思っていたが、もう一度この人とやり直そうと思った」「娘にようやく自分を許してもらえた」など。

ただ、今回の話からもわかるように、過去世を扱うことは万能薬ではありません。過去世は、あなたの抱えている問題が、それに起因している場合に出てくるものですので、確かに影響も大きいかもしれないし、あなたの気持ちを楽にしてくれるかもしれません。でも、あくまでサポート手段なのです。興味本位に過去世ばかり探っても、何も変わらないことがあります。過去世の法則で大切なのは、そこから何を学び、何を今に生かすかということです。過去世でわかったことを生かすも殺すもあなた次第です。

 

次回は、関係を改善するための過去世の法則のもう一つ別のキーワードと、心と魂の関係をご紹介しましょう。

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