2007/05/07  
2008.09.28  
 

14話 親子

あなたの魂が、あなたのご両親を選んで生まれてきているとしたら、いったい、ご両親から何を学ぼうと思ってきたのでしょうか。今日はそれを考えてみましょう。

母と娘

最近、母と娘が親友のように仲良しという親子は多くいらっしゃるようです。旅行会社で「母と娘の旅」が企画されたり、雑誌で「母と娘」特集を取り上げているのをよく目にします。

 

私自身も母とは非常に仲が良く、しょっちゅう電話で何時間も話しています。母に連れられて、初めてスピリチュアル・ヒーリングを受けた時に、私と母は過去世で一緒に巡礼の旅に出ていると言われました。今も二人揃ってソウル・セラピーをしているので、二人で神さまを求めるという意味では、当時ととても似ている状況です。このように、過去世での関係が現在の関係に影響を及ぼしていることは、良くあることです。

 

その一方で、母と娘の関係があまり上手くいっていないという親子もたくさんいらっしゃいます。「小さい頃に母に愛されなかった」と言って苦しんだり、嘆いたり、母親を責めている女性は本当に数多くいらっしゃるのです。そして、娘だけが苦しんでいるのでなく、成人した娘から「子供のときに愛してくれなかった」と言われて苦しんでいる母親も多いのです。

 

 今回は、ソウル・セラピーにいらした30代の女性の話を見ていきましょう。

 

結婚5年目、お子さんが一人いらっしゃる主婦の方です。すぐに落ち込んだり、不安になったり、怒ってしまったり、とにかく精神的に不安定という様子でした。そして、「人生が苦しい」「母と上手く行っていない」「子供のときに母に愛されなかった」と仰います。

 

さっそくその方の胸に手を当てて、心に愛を注いでいきます。母親への怒りだけでなく、幼いときの彼女の寂しさも溢れ出てきました。

 

「どうしてお兄ちゃんばっかり大事にして、私のことは見てくれないの!?」

「私だって、ちゃんとやっているのに!!!」

「もっと私のことを認めてよ!」

 

母親への怒りはとどまる所をしりません。子供の時からの感情が爆発して、溢れ出てくるのを、せっせと愛で溶かしていきます。感情の爆発がようやく落ち着き、彼女は静かに母への恨みを口にしはじめました。

 

「私が苦しんでいるすべての原因は母なんです」

「母には本当に愛されなかった」

「母のことが本当に大嫌い」

 

「子供の頃にどんなに苦しかったか、今までどんなに辛かったのか、一度母に話したことがあるんです。でも、母は私が苦しんでいたことを全然わかってくれない。『何を言ってるの!?あなたのことはちゃんと愛していたわ』としか言わない」と泣きながら話し始めました。

 

そのうち、今度は「私のことを愛してよ〜!!!」と母親の愛を求める想いが出てきました。この想いにも愛を注ぎます。母親の代わりになって、「母の愛」を注ぎいれました。こうやって母親への怒りや恨みと寂しさを溶かしていくと、次に、「お母さんの言う通りには絶対にしない」と子供の頃から母親に反発してきた様子が出てきました。その想いを溶かしていくと、今度は過去世の想いが出てきました。

 

時代はいつの頃かわかりませんが、戦争中です。彼女も彼女の母親も男性で、同じ隊に所属しています。彼女の母親は上官で、彼女はその次の階級で作戦実行部隊のトップのようです。戦争の作戦を練っている際に、彼女は上官の作戦に疑問を感じて意見したものの、取り入れてもらえず、上官命令で彼女は現場の指揮官として上官の作戦を実行することになりました。ところが、その作戦は敵に裏を突かれて見事に失敗し、彼女は自らの命を落とすだけでなく、多くの部下の命も落としてしまいました。「あの時、自分の意見をもっとしっかり押し通すべきだった!自分のせいで、多くの部下の命を失わせてしまった!上官の意見を鵜呑みにするのではなかった!」と深く後悔している想いがでてきました。

 

もう一つ別の過去世も出てきました。時代は中世でしょうか、今度は女性です。ヨーロッパのお城で暮らしているのですが、そこはとても冷たくてし〜んと静まり返っている様子です。彼女はその城の城主の夫人なのですが、城主である夫が非常に冷酷で人嫌いで、彼女が人を呼んで賑やかに過ごすことを全く許さず、彼女はとても寂しく過ごしています。当時の彼女の父親が今の母親であり、城主が冷酷な変人だという評判を耳にしながらも、相手の財産の多さが自分の娘にとって幸せなことだと信じて、この縁談を強引に推し進めたのでした。

 

このように、母親の言う通りにして命を落としたり、不幸な結婚をした過去世の記憶が、『お母さんの言う通りには絶対にしない!』という想いを作り出していたのです。

 

彼女は自分がなぜ母に反発ばかりしてきたのかが判って、納得した様子でした。そして、『母の言う通りにはしない!』という想いがどんどん溶けていきました。その後は、お母さんを責めることもなくなって自然に接することができるようになり、お母さんもちょっと驚いていたそうです。

 

母親を『自分を愛してくれなかった』と言って責めている女性は本当に沢山いらっしゃいます。

 

「お姉さん(お兄さん/妹/弟)ばかり可愛がって、私への愛情は薄かった」

「お母さんは働いてて、私のことは放ったらかしだった。私より仕事に一生懸命だった」

「お母さんに愛してほしいから言うとおりにしたのに、こんな人生になったのはお母さんのせいだ」

 

でも、娘を愛していない母親なんていないのです。ただ、その愛が上手に伝わらなかっただけなのです。

 

母親を責めている人は、ご自分の心の中にある「愛してくれなかった」「尊重してくれなかった」という想いを愛を掛けて溶かしてください。そして、それでも「愛されなかった」という想いが拭えない人は、心に神さまからの愛が入ると思ってください。神さまの愛は、母の愛のように、そして母の愛よりも、大きくて暖かいのです。時間は掛かるかもしれませんが、やがて「愛されなかった」と言う想いがなくなっていきます。諦めずに愛を入れ続けてくださいね。

 

反対に、娘さんから「愛されなかった」と責められているお母さんは、娘さんにとにかく謝ってください。娘さんは、「愛さなかったこと」「自分を尊重してくれなかったこと」について、とにかく謝ってほしいのです。そして、その上で無償の愛を母に求めています。ですから、「ごめんなさい」と謝りながら愛を送ってもらうようにお願いしています。

 

親子関係が良好でないときは、過去世で傷つけあったり仲たがいをしている関係であることが多くあります。ですから、今生の人生での自分の行為について謝るだけでなく、もしかしたら過去世でも娘さんを傷つけたかもしれないと思って謝るようにしてもらいます。

 

そして、できれば娘さんが納得するまで、娘さんの目の前で何分でも何十分でも「ごめんなさい」と心を込めて謝り続けるようにお願いしています。そうすると、娘さんの心の中にある想いが一気に溶けていくからです。

 

娘さんから責められて苦しい思いをされている方は、まずご自身の心に愛を入れ、落ち着いたら、娘さんの心に愛と謝罪を送り、そして、できれば娘さんが納得するまで直接謝り続けてみてください。

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