2007/07/09
2008.10.27
第18話 仕事仲間
私たちは、両親を選んでこの世に生まれ、結婚相手も魂が引き合わせているという話をしましたが、今回は、一日の大半を共に過ごすことの多い職場の同僚や取引先などの仕事での人間関係を見ていきましょう。
「魂が家族を選んできていると言うのだから、仕事も職場も魂が選んでいると言いたいのでしょう?」とあなたは言いたいかもしれませんね。答えは、「もちろん、その通り!」です。
ただ、仕事仲間は家族と違い、近い関係の人もいれば、顔をあわせる程度の人もいますよね。仕事での仲間との関係を、大まかに関係の近い人と遠い人に二分して、今回と次回の2回に分けて、それぞれ魂がどんな目的で引き合わせているのかを見ていきたいと思います。
近しい関係
仕事で非常に近い関係の場合、上司であろうと部下であろうと、たいてい過去世でも、一緒に仕事をしたり、商売敵だったりと、仕事が絡んでいる関係であることが多いのです。
第2話にも書きましたが、私自身も会計事務所に勤めていた時の直属の上司とは、初めてスピリチュアル・ヒーリングを受けた時に、何度も過去世で一緒に仕事をしていたと言われました。
過去世で一緒に働いていたのに、今生でも一緒に働くことになるというのは、その度に遣り残している宿題があるからなのです。その宿題のテーマは毎回違う人もいれば、同じことに何度も挑戦する人もいるのですが、一つクリアすると、次のテーマが出てくるのです。
ある30代の女性が会社の人間関係で悩んでソウル・セラピーにいらっしゃいました。女性の上司とどうも馬が合わないというのです。「彼女は、『どうやって自分を会社に売り込むべきかを常に念頭に置いて仕事をした方がいいわよ』と言って、いつも自分がどれだけ会社に貢献できるかという話ばかりしているんです。私には『自分を売り込む』という気持ちはどうしても持てず、話を聞くだけで苦しくなってしまいます。それよりも、もっと自然に仕事をしたいんです」
いつものように、彼女の胸に手を当てて、愛を注いでいると、その上司への不満が伝わってきました。不満の想いに愛を掛けて溶かすと、今度は、その上司との過去世で一緒だった時の想いが出てきました。彼女は上司と同じ港町に住んでいて、二人とも男性で、お互いに同じような商売をしていたようです。
当時の彼女は、かなり羽振りの良い商人で、良い品はすべて彼女が抑えてしまい、残りの品が他の商人に流れていました。その中でも資金力の乏しかったのが、上司だったようです。彼女は、上司の資金力を知りながらも、上司の商売について事あるごとに馬鹿にしたり、商品が流れないように手を打っていました。
もう一つ出てきた過去世は、二人とも今度は女性で、同じ町の女性衆といった様子でした。その中で、彼女は比較的裕福な家の奥様で、女性衆の中ではいつも中心的存在のようで、さらに少し気取った雰囲気も伝わってきました。一方、上司はというと、日々の生活がやっとという質素な家の奥さんで、飾り気のない、開けっぴろげな性格という感じです。
彼女は何かと言うと、上司の言動をちょっと馬鹿にして蔑んでいるきらいがあります。
そのことを彼女に告げました。過去世では、何かと馬鹿にしたり意地悪をしたことが多かったようなので、今生ではまずは上司の魂に向って謝るように伝えました。その上で、自分の心にある「あのやり方は嫌だ」という想いに愛を掛けて溶かし、上司の心にある「自分のやり方は正しい!」という想いにも愛を送るようにと伝えました。上司の心の想念にも愛を送ることで、その想いが溶け、自分のやり方を正しいと主張することがなくなっていくのです。それからしばらくして、彼女から、上司との関係が随分和らいできたように感じるとメールを頂きました。
彼女の魂は、「お互いのやり方を認めるように」と言っていました。これまでの彼女の人生には、いつも「自分が正しい」と主張する人が近くにいたそうです。そして、彼女は「あのやり方はおかしい!」と相手を間違っていると感じながらも、相手の主張に圧倒されて「自分が間違っているのかもしれない」と思って落ち込んだりしていたそうです。
仕事でも家庭でも、過去世で関係のあった二人がその過去世でいがみ合ったりして禍根を残していると、今生での関係はあまり良好ではありません。でも、その関係を解消していくことで、『過去世の関係の解消』ということ以上に、魂が学びを得て成長し、その成長したものを周りの人に還元することができるのです。そうやって周りに還元することで、あなたの魂は更に輝きを増し、あなたの周りの他人の魂の成長にも貢献しているのです。
さて、その一方で、「あの人はどうしてこんなに私のことを気に掛けてくれるのだろう?」とこちらが不思議に思うほど、面倒を見てくれたり、何かと助けてくれる人もいますよね。そういう人とは、過去世でも大変お世話になっていたり、反対にこちらがその人のお世話をしていることが多いのです。得意先なども、実は過去世でお世話になっている人ということが多々あります。
私が税理士業で独立したばかりの頃、顧問契約を結んでくれた会社がありました。私はそれまで外資系の会計事務所で働いていたので、その当時の取引先は外資系の日本法人が殆どでした。私はM&Aと申告書作成の主に2種類の仕事をしていたのですが、申告書作成については、取引先で決算作業までこなし、出来上がった試算表を元にこちらは申告書を作成するだけでした。取引先とのコンタクトも基本的にはその時期だけで、書類のやり取りとメールや電話で済んでしまうこともあり、実際に会うことも年に1度ということが殆どでした。
ところが独立すると、取引先は外資系ではなく、設立したての中小企業が殆どとなり、全く関わり方が異なります。会社によっても異なるのですが、毎月顔を出し、日々の領収書貼りや記帳から、決算書作成まで、基本的には経理全般をこなします。時には経理だけでなく、総務のような仕事もこなすこともあります。
そういう意味では、私の勤務時代の知識はあまり活用できなかったので、独立はしたものの、「こんなのでやっていけるのかしら?」と思っていたものです。
そんなときに顧問契約を結んでくれた会社の社長は、私の知識不足・経験不足についても非常に寛大で、「どうしてこんなに良いお客さんなのかしら?」と思ったことがありました。
「やっぱり過去世で関係があるのかしら?」と思って、当時既にヒーリングを開業していた母に聞いてみたら、「昔大変お世話になりましたので」と社長の魂が言っているというのです。そうやって恩返しをしてくれているのです。
不思議に思うくらい面倒を見てくれる人がいると、自分も周りの人にそういうことをしようという気持ちになりませんか?そうやって、魂は恩返しをするという過去世の関係から出発して、周りの人へ波及させることで、自分だけでなく周りの人の魂磨きにも貢献しているのです。
さて、その一方で、あまり近い関係にならない会社もありました。郵送で書類をやり取りして後はメールで仕事をするような関係だったりすると、顔を合わせることも滅多になく、その会社の社長とは、過去世でも大した関係は出てこないのです。
では、魂が、その大して縁もない取引先と引き合わせる理由は何でしょうか。それが意外に魂磨きに役割を果たしてくれているのです。次回はそれを見ていきましょう。