2010.07.14  

第41話:クレドふたつめの理念(独自能力) 

今回はクレド、(弊社の行動指針)のふたつめ、「独自能力」についてお話したい。
 
 独自能力はもともと個々に備わっているべきものであるが、それを上手く引き出せるかどうかは目標とそれを達成する手段にかかわってくる。というのも、人生目的であるグランドミッション(例:将来なりたい大人象や夢・職業)を描き出すことができれば、そのミッションを達成するために何をするべきかが、自然と見えてくるからだ。

人生目的(グランドミッション)がなければ、今すべき事も見えてこず、すべき事がなければ、判断など必要ない。結果、独自能力を発揮する意図もないということになる。

つまり、独自能力を育てるためには、その能力を発揮するための人生目的(グランドミッション)を持とうというのが我々の考え方なのである。

そこで以下、「独自能力」の詳細を4つにわけて紹介したい。

独自能力その1(ゴーイングコンサーン)

まず、グランドミッションを大きな源泉として、マニフェスト達成のための構造デザイン(短・中・長期の方針・計画)を立案する。

そして、常に計画に目を通して、作り出したい成果(目標)を明確化し、約束したPDCA(計画・実行・点検と評価・処理と改善)及びTCF(ターゲット・フィードバック・チェック)のサイクルを丁寧に回す。

大切なのは、「○○かそれとも○○か」という二者択一ではなく、
「○○そして(AND)○○」という二者を共に達成するという精神である。

これを「OR(または・それとも)」から「AND(そして、及び)の才覚」と呼ぶ。

ビジョナリーな人(未来構想が描ける人)は、金儲けと意義ある仕事は両立できると考えている。

長い年月にわたって作り上げようとする対象に没頭、そして(AND)その日、その日に達成すべきことにも専念できる。

さらに、ビジョナリーな人の場合は、「ANDの才覚」において、ふたつを50%ずつで両立するのではなく、それぞれの100%を目指しているのである。

人間とは、迷いやすく、流されやすい生き物である。だからこそ、人生の中にも手帳を創り、その手帳の中に、常にPDCAとTCF、ANDの才覚を描き出し、スケジュール管理をすることを従業員に様々な方向から勧めている。(実際に、この心の中の手帳を具現化するために弊社では、自分史セミナーというのを取り入れており、それに関しては、34話から38話に亘って詳しく触れている)

こうして初めて、このゴーイングコンサーン(進むべき仕事)が見えてくるのである。

独自能力その2(4つのトライアングル)

成基コミュニティでは以下の4つのトライアングルを心に刻み、「本物の人間」になるために、能力の向上、自己研鑽(己を磨く)に努める。

1. 在り方= 愛情を持って接し、相手を尊重し、信頼してもらえる人となる。

2. 信念= 人は自分の中に答えを持っているものである。人は育とうとする生き物だという信念を持ち、前に進む。

3. 姿勢= 疑問を率直に相手に質問し、相手からの話を傾聴し、その意見を受け入れ承認するという姿勢を持つ。

4. 成果= 人の役に立つことで成果(達成感)を図り、それを心に刻む。

ここでは人との関わり方で、自分を評価し、その関わりの中で、自分をどう育てていくかで、独自能力の発揮を図るものである。

同じ人はふたりとしていない。その違う人間が、それぞれ他人とかかわっていくこととしたら、何通りのアプローチ、そしてコミュニケーション、人間関係が生まれることだろう。

この関わりこそ、マニュアルなど存在しない。まさに独自開発が最も必要とされるパーツなのである。

独自能力その3(ヒューマン・ドリーム・サポート・カンパニー)

成基コミュニティでは、顧客である保護者、そして塾生一人ひとりの夢を把握している。

そのヒューマン・ドリーム・サポート・カンパニーのカルテに基づいて、「第一志望こだわり宣言」を達成するために、弊社独自の教育コンテンツを構築・改善しつづけ、教育業界最高の教育サービスを提供している。

我々が売っているのは「品物」ではない。我々が売っているのは、夢を成功に導くためのノウ・ハウである。

夢は顧客それぞれみな違う。その顧客に対応するために、弊社社員たちは独自で顧客にあったサービスを与えられるよう能力を身につけなければならない。塾生や保護者のニーズに留まらず、ウォンツにまで手が届くよう顧客に接し、その夢への想いを察して、彼らの目標達成のために何が必要かを、独自に考え、独自で判断し、サポートすることを求められるのである。

独自能力その4(総合教育機関としての自覚)

成基コミュニティは、幼稚園受験から大学受験に至るまでの合格支援、就職、資格取得支援、さらには実験・野外における体験型学習、保護者セミナーといった全世代に対応した教育サービスを提供する総合教育機関であることを自覚し、顧客と塾生の夢実現に向けて、最高・最善の関わりを実践しつづけている。

この総合機関としての自覚は、従業員個々の独自能力ではなく、企業としての独自能力だ。

1から3までの、従業員個々の独自能力を育てるのは、企業の独自能力でもある。

その企業自身が、総合教育機関としての自覚を持ち、その自覚を従業員に認識させることは当然のことと言えるだろう。

なぜなら、幼稚園から就職、保護者セミナーに至るまでの流れをサポートすることで、グランドミッションへの道のりは「点」ではなく心の手帳に描き出した人生スケジュールに則って「線」で結ばれるべきものであることを企業理念から従業員に気付かせるものであるからだ。

さて、これがクレド、ふたつめの理念「独自能力」であるが、私はこの独自能力に優れた人間を高く評価している。

独自能力に優れているものは、臨機応変に判断、行動できるということだ。

こういった人間は、状況の変化にうまく自分を対応させることができる。

さらに、 独自能力は働く者だけに必要な能力ではない。

子どもが十分に持っている独自能力を発揮できれば、自分の将来のためにやるべきことを発見でき、次々と人生のスケジュール帳を頭に描き出すはずだ。

現役を引退したシルバー世代が、独自能力を失わなければ、サラリーマン時代と生活が変わったからと言って、毎日、ぶらぶら過ごすこともなく、自らシルバーならではの楽しみ、社会性を見出すことだろう。

主婦が独自能力を十分に使えば、毎日の家事が創造性に満ちたものになるだろう。

主婦のアイディア等がカリスマ主婦の○○術などと謳われ、マスコミで持てはやされているが、そのアイディアとは、個々の独自性から来るものだ。

ふたを開けてみれば、節約料理のノウ・ハウなどたいしたアイディアではない、考えれば思いつきそうなものも多いが、創意工夫に慣れていない人間には、こういった発想がないため、注目されるのだ。

独自能力は、自分の人生の可能性を大きく膨らませる能力だ。

決められたことではなく、何が正しく、何が大切なのか、それを判断するのは、自分自身であるということなのである。

どれほど成績優秀であっても、独自能力が育っていない人間は成功しない。

私が、従業員、そして、企業としての独自能力を大切に考える基本はここにある。

そして、独自能力がある人間こそが、独自能力ある子どもたちの育成に貢献するのである。


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