2010.09.20     

第43話:クレド4つめの理念(社会との調和) 

今回は弊社のクレド(信条や行動指針)の最後となる4つめの理念「社会との調和」についてお話したい。

この「社会との調和」は、先にあげた3つの理念「顧客本位」「独自能力」「従業員重視」のすべての受け皿となる理念と言えるだろう。

我々は、毎日このクレドを振り返ることにより、自分のやるべきことは何か、パーソナル・ミッションを確認することができる。

その中で、「社会との調和」は、非常に重要な部分に繋がっていることがわかる。

社会とは人間が集まって共同生活を営む際に、その関係がひとつの輪郭となって現れる集合体である。

つまり、自分が存在し、働かせてもらい、生かしてもらっている集合体(社会)に対し「感謝」「貢献」しようというのが、4つめの理念なのである。

では、最後の理念「社会との調和」について詳細をお話したい。

社会との調和その1(教育理念の普及)

弊社では、一人でも多くの方々に、成基コミュニティ独自の教育サービスを体験してもらえるよう、様々な取り組みを行っている。そして、より多くの顧客や塾生に喜びや感動を体感していただき、教育理念に共鳴していただくことで、世代を超えた関わりを作り出し続けている。

成基コミュニティの教育理念の普及は、広い目でみれば社会貢献に大きく繋がると考えている。

例えば、我々は教育というフィールドで顧客サービスを行っている。

このことは以前から何度も言ってきたことだが、我々の目指すところは「人づくり」である。そして、一般の教育界の常識となっていた「教える(ティーチング)」から「気づきを引き出す(コーチング)」という指導法を見出し、成果をあげてきたのである。

この教育理念が人を育てる現場で働く人たちに浸透し、社会の中の教育理念となってくれることを願っている。

社会との調和その2(社会道徳の普及)

弊社では、コンプライアンスに留まらず、社会道徳を徹底し、自らが磨き上げた社会人として率先垂範する姿勢を堅持している。

コンプライアンスには、顧客、従業員などの期待に応えるために、法令の遵守に加え、「倫理や社会貢献などに配慮した行動をする」という意味が含まれているが、それ以上に、個々の人権・プライバシーを尊重し、言葉遣いについても慎重を期して行動するとともに、周りにいい影響を与えられる存在であり続けたいと考えている。

社会との調和その3(協調性の構築)

我々は、誰からも受け入れられる清潔な身だしなみと、品格のある言動で日々の業務に精励している。これらを日常的に行うことは、人に好印象を与えるばかりではなく、社会の中での己の立場を自覚することに繋がり、しいて社会性へと結びつくのである。

また、日々の生活の中で、互いに認め合える素晴らしさを体現することで、協調の重要性を伝播させている。協調はまず相手を受け入れ、認めることから始めなければならない。

同時に自らも相手に受け入れられ、認められる姿勢が必要だ。

また協調の精神に反する場面については、従業員はもちろん、例え顧客や塾生であっても毅然とした態度で適切に対応する。

社会との調和その4(セーフティネットの構築)

弊社では、安心・安全な環境を作るため、独自のセーフティネットを整備して非常時やセキュリティに関する知識を身につけている。

常に未然防止を心がけ、有事の際には、危機管理マニュアルに沿って、顧客と塾生を最優先して安全な場に導けるよう、日頃から備えている。

そして、万が一、発生した問題や事故については、隠ぺいすることなく、関係者に伝え、再発防止に努めることを心掛けている。

このセーフティネットの構築をクレドに掲げているといえば、まずメーカーが頭に浮かぶ。例えば、販売していたその会社の商品に何か問題が起こった場合、速やかにマスコミに情報開示し、問題が起きた商品を速やかに回収し、社会に与えた損害に関して、速やかに対処するなどがそれに当たるだろう。

隠ぺいすることなく、正直に問題の解決を図ることこそが、結果的に、その企業の信頼を顧客から得ることになるのである。

我々もこの指針は非常に大切であると実感している。

何か問題が浮上した時こそ、その企業の本当の姿が見えてくるからだ。

以上が、弊社クレドの4つ目の理念「社会の調和」についてである。

これで4回にわたり、すべてのクレドについて具体的にご説明させていただいた。

クレドを掲げるにあたり大切なのは、守るべき指針を「具体的かつ簡潔」に記すことだ。

弊社を例に挙げて言えば、「顧客本位」「独自能力」「従業員重視」「社会との調和」(これまでお話させていただいた通り)の4つ(全16項目)であるが、クレドは「普遍性と柔軟性」の2つを併せ持つ。つまり、クレドの基本指針は普遍だが、具体的指針は時代によって変化し、それによって従業員の意識も変えていかなければならないということだ。

また、クレドを最も有効に企業内で機能させていくためには努力が必要だ。

例えば従業員向けのアンケートを取り、個々の声を聞いたり、経営者も交えた話し合いの場を定期的に設けるなどして、クレドが実際の現場で生かされているか、つまり、従業員がクレドに従っているか、クレドそのものが業務に合っているのかどうかも確認しなければならない。

そこで弊社では、「クレド委員会」から「今日のクレド」と題し、全16項目あるクレドを毎日ひとつずつ取り上げ、365日欠かすことなく全従業員に送り、クレドの再認識を行う具体的な試みを今年4月から開始した。

また、そのクレドに対し、社員がどう実践しているか、どう現場に生かしているかを知るため、その日のテーマ(今日のクレド)に関しての個々の学び・気づきを発表してもらい、現場のコメントとして、同時に発信しているのである。

毎日クレドを振り返るきっかけをつくり、現場のクレドに対するフィードバックを知ることで、さらにそれが生きたものになってくる。

今の厳しい時代、このクレドをしっかりと持っている企業だけが生き残ることができる。

企業の代表が、会社をどう経営していくのかを従業員に明確に伝えることができてこそ、従業員はやる気が起こるのである。

私が、以前から幾度にも渡ってお話しているグランド・ミッション、そして、パーソナル・ミッションの必要性というのは、まさにこのクレドにもつながるものであることを最後に付け加えてクレドに関するお話を終わりにしたい。


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