2012,01,16     

59話:就職塾事業(エピローグ)

今回は就職塾事業全体についてまとめさせていただきたい。

第57話では就職塾事業の「オン・ザ・ジョブ」であるエデュバイトプロジェクト、第58話では「オフ・ザ・ジョブ」3つのセミナー(My Wayセミナー、パーソナルミッションセミナー・個の華プロフィールセミナー)についてお話させていただいた。

エデュバイトプロジェクトは、弊社の講師として働いている学生が就活に勝てる力を塾の教室現場で養う実践法。セミナーは、実践力に伴うメンタルトレーニングを行うものだ。

その背景には、「企業が欲しがる人財」とは何かという意図がある。 

そもそも、企業とは何か、またその必要としている人間とは、どういう人材なのかここで解りやすくとまとめてみよう

  1. 1.企業とは社会に価値を提供するために存在している「組織」である。

  2. 2.  その「組織」が求める人材とは、「仕事ができる人」である。

  3. 3.その「仕事ができる人」とは「成果」を出せる人である。

  4. 4.その「成果」とは、企業が抱える「課題を解決する力をつける」ことである。

  5. 5.企業が抱える「課題」とは、顧客が求めているもの(「ノウ・ハウ」「サービス」「モノ」)を提供する「方法、在り方、手段」のことである。

  6. 6.企業は、その「方法、在り方、手段」を提供することで、顧客から感謝の気持ちを「対価」として受け取り、「適正利潤」の追求と「永続発展」を目指して活動しているのである。

  7. 7.その「企業の発展」のためには「課題」を解決することが仕事となる。

  8. 8.企業はその「課題」を「人」を使って「モノ・カネ・情報」を駆使し解決する。

  9. 9.つまり、様々なものを駆使し、「課題」を解決できる「スキルを持つ人」こそが企業が必要としている人財である。

こういった人財になるための「スキルの基礎」をつくるのが、オン・ザ・ジョブのエデュバイトプロジェクトであり、できる人材であることを、上手く表現するための「自己分析と自己表現力の基礎」となるのが、オフ・ザ・ジョブのセミナーである。

例えスキル(オン・ザ・ジョブ)だけが備わっていても、それを上手く相手に表現する術、プレゼンテーション能力(オフ・ザ・ジョブ)を持たなければ、相手を納得させることができず、解決には結びつかないからである。

 すなわち、「スキルの基礎(オン・ザ・ジョブ)」+「プレゼンテーションの基礎(オフ・ざ・ジョブ)」があって初めて「スキルのある人」とみなされるのである。

また、この就職塾事業は、エデュバイト生たちだけのメリットだけを考え始めたものではない。

私は近い将来、弊社への新卒採用の80%をエデュバイト生から確保したいと考えている。

その理由は、優秀かつ、即戦力の人材確保である。

エデュバイト生はすでに弊社での業務経験を積んでおり、この就職塾事業に参加することで、「課題を解決できるスキルを持った人材の基礎」「プレゼンテーションの基礎」を築きつつある人間と断言できる。

そのエデュバイト生たちを採用することは研修コストの削減だけでなく、優秀で即戦力の人材確保を意味するのである。

採用する側は、エデュバイトプロジェクトで活動を共にしてきた、現場教室長の視点や評価も加味できるため、採用時のジャッジにミスも起こらないという利点がある。

エデュバイト生にとっても利点は大きい。

彼らは正社員ではないにしろ、アルバイトという立場ですでに教場に立ち、現場を熟知していることから「採用後、こんなはずじゃなかった」という職場における理想と現実のギャップも少ない。さらに教室長らに推薦を受けたエデュバイト生は一次選考を免除されるメリットまでつく。

さて、ここで付け加えておくが、この就職塾事業は弊社の雇用にエデュバイト生を縛り付けるということではない。

弊社の新規雇用以上に、この事業に重きを置いているのは、一般優良企業から「エデュバイト生が欲しい」と言わせるだけの人財輩出なのである。

そこには、国づくり、企業づくりの原点である「ヒト」において、高付加価値な「ヒト」を輩出し、市場に求められる存在になるという弊社の思惑がある。

自部署で洗練された人財を世の中(弊社も含む)に輩出することは、グランドミッション達成の大きなファクターだ。

つまり、一般企業の思惑(経費をできるだけ省いて高付加価値な人財を効果的に採用したい)とエデュバイト生の思惑(お金稼ぎだけではない修練による職業体験を通じて、この厳しい景況でも打ち勝てるスキルを持った人間になりたい)という二者の橋渡しを弊社が行うのである。

スキルとプレゼンテーションを備えた良い人財を派遣することはいい実績を生み、結果、弊社の信頼度アップに繋がる。目指すのは「人材派遣」ではなく「実績派遣」なのであ

また、これらを具体的に、かつ効率よく実践に持ち込み、結果を得るためには、エデュバイト生がエデュバイトしている現場の指導者(各教室長)の以下のような意識の高さも不可欠である。

  1.常に成長を見守ること(メンタリング)。
  2. 教室、校風に独特の魅力を見出し、エデュバイ生を惹きつけること。
  3. 人と人の絆を重視し、ハートフルな関係で修練を可能にすること。

  日ごろの関わりの中で、教室長のエデュバイト生への効果的かつ意図的なメンタリングが彼らを鍛え上げ、成長と成果創出を可能にできるのである。

その意図的なメンタリングとは以下を創り出すことにある.


1. 傾聴=エデュバイト生の意見に耳を傾け、より本質的な「その人らしさ」を引き出す。

2. 質問=質問を繰り返すことで、問題をより熟考させる機会を与え試練の場所を提供する。

3. 承認=エデュバイト生の成果に対して認め、受け入れることで達成感を創出し、さらなる高みに挑戦する。

教室長は、エデュバイト生の直接の指導者として教室業務の手段を通じ、彼らひとり一人の「成長ドラマ」を描き、成功の階段をどう設定していくか、それに沿ってどう鍛え上げていくかが、大切な職務である。

この取り組みが、様々な相乗効果を生むことは間違いない。

 いちエデュバイトのメリットに留まらず、各教室のコーチ、教室長、生徒、保護者、弊社自身のさらなる人財育成のステップへと繋がり、それは世の中すべてにおいて役立つメリット(力)へと広がっていくのである。

「良い人財」は、「大きな対価」を生む。その対価で企業は発展を続ける。

そして、その「対価」を生む「人財」を創出し、企業の「WANT」に応えることが私たちの就職塾事業であり、弊社のグランドミッションでもあるのだ。


志あるリー ダーのための「寺子屋」塾トップページへ