2007/01/29
2008.07.28
 

第5話 人生をパワーアップするには

1月の14日は父と長男の命日でした。

14日は旅に出ていたので、家族に電話して、二人の好きなものを供えてもらいました。

 

正月気分の残っている頃に起こったあの日から、すでに29年がたったのです。

二人もあの世で頑張っていることでしょう。

私も「二人の分まで生きる」と誓って生きてきましたが、果たしてどこまでやれているのだろうかと思うことがあります。

 

 

 

さて、今年は珍しく、正月は岡山の実家で過ごしました。

母が83歳で元気でいてくれますので、ありがたいです。

年に1,、2度しか会わないので、あと20年、103歳まで生きてくれたとしても、これまでの頻度なら20回から40回しか会えないんだと思ったら、一緒にいる時間がいつも以上に大事に感じました。

 

今のうちに母に聞いておきたいこともありました。

それは父のことや先祖のことです。

 

 

 

年末に、メキキの会の代表の出口 光さんと食事をする機会がありました。

その時に、「先祖を自分の生き方に取り込んだら人生にパワーが出る」という話になったのです。

それで、父のことや先祖のことを母に聞いてみようと思ったのです。

 

 

 

実は、私は父との思い出はあまりなく、17歳で家を離れたこともあり、私の中では

父の影は薄かったのです。

母から聞いて初めて知ったのですが、父は、戦前は、片倉製糸という会社に勤めていて、蚕の飼い方を農家に指導して回る「養蚕教師」だったのです。そして、戦争中は軍隊で、「新兵教育」を専門にしていたそうです。

私の記憶の中では、消防団長をしていたり、村の世話役をしていた父はいましたが、「教師」とか「教育」とかを父がやっていたことは知りませんでした。私が教師をしていたルーツがこんなところに在ったのかと、感動さえ覚えました。父を身近に感じ「私の中で父親が生きている」という実感を初めて持ちました。そして力が湧いてくるのがわかりました。

 

また、母方の事も知ることが出来ました。母方の先祖は鎌田といい、神職が多く、家系図をたどると藤原鎌足に行き着きます。

母方の祖父は下駄屋を営んでおり、常時5〜6人の弟子の育成をしていたそうです。ここにも、「教え育てる」ことが出てきます。

祖父は雨の日も雪の日も水をかぶり、近くの神社に夜中に白装束で参っていたというのです。相談しに来る人も多く、下駄屋をしながら、拝んであげたりアドバイスもしていたのでした。私が神仏が好きで、神社やお寺に参ったりするルーツや、人生相談をしているルーツがここにもありました。一度も会った事のない祖父を身近に感じました。

 

 

母から話を聞いて、祖父が修行していたその神社に無性に行きたくなりました。母の実家は、いまは他の人が住んでいるので、母ももう何十年も行ったことがないというので、母を誘いました。

行って見ると新しい道も出来ていて家も増え、周りの雰囲気は昔と変わっていましたが、二階建ての母の実家はまだ残っていました。

 

神社は杉林の中の急な坂道を10分ほど登った山の中にありました。斜面を三十坪ほど切り開き平らにしてありました。拝殿は6畳くらいの板張りで、神主もいない小さな掘っ立て小屋のような神社です。正月なのに誰もいなくて、みかんとお神酒が置いてありました。地元の人は天神様と呼んでいるから、菅原道真公を祭ってあるのでしょう。昼でも1人では寂しい場所です。ここに祖父は毎晩参って何を祈っていたのでしょうか。

 

母も生まれたところに久しぶりに戻って、とても喜んでいました。親孝行も出来たし、母とゆっくり話せました。母の子どもの頃の話も聞けました。当時は小学校6年を卒業して働きに出る子もいた時代ですが、そのあと高等科に2年、そしてその上の学校に3年間行かせてもらったそうです。就職したのが役場で、当時、用務員さん以外は男ばかりの職場に、職員として女性としては初めて採用されたということで、見学者が来たそうです。新しいことが好き、人のしないことをしたいという私の性格は母親ゆずりのようです。

 

 

 

一方、新田家のほうは、曾祖母は、「円応寺のお大師さん」と呼ばれた人で、信者も多く、信仰に生きた人でした。きつね憑きを治したり、歯痛を消すのも得意だったとか。もちろん、多くの方の相談にも乗っていたそうです。私が生まれる3ヶ月前に亡くなったという曾祖母の血も、濃く流れているようです。

 

このような先祖があって今の私があることが実感できた素晴らしい正月でした。

 

 

先祖供養が大事だといいますね。

これまでは、先祖供養とは先祖を偲び、感謝し拝むことだと思っていましたが、先祖の生き様を知り、先祖の生き方を自分の中に発見して、先祖と共に生きていくことが、先祖供養ではないかといま思っています。

 

 

両親の生き方を肯定的に受け入れること、そして先祖の生き様を自分の中に発見することは自分を元気にしパワーを生み出します。

これが、出口さんが話していたことだと実感しています。

よりパワーフルに生きて行きたい方、先祖を統合することを是非やってみてください。

 

 

そして、私の人生が、子どもや、まだ見ぬ子孫に影響を与えているということも自覚できました。子孫の人生を創っているのだから、日々おろそかに出きませんね。

 

 

先祖さんありがとう。

子孫の中に生きることができることを感謝します。 

命のつながりを感じるとパワーが出ますね。

 

子孫のためにも、今日もよりよく生きる一日でありますように。

 

 

続く

 

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