2009.11.24    

第38話 「言霊の火水(ひみつ)その2
    〜神道の秘儀による宇宙エネルギー獲得法〜 

4. 神秘の扉を開く鍵

私自身、この天津金木に真剣に取り組みましてより、不思議なことですが、全身からまるで膿が吹き出るよう、様々な事象が現れてまいります。それは善きこと悪しきこと取り混ぜてです。その現象は何と申し上げてよいのか、苦しくもあり楽しくもあります。

天津金木を意識して行じまして、嬉しいことと言えば曖昧だった技の動きが明確になってきたことでしょうか。それのみならず、その意味も同時に理解していけるのです。なんと言いますか、天津金木で形を整えたときに情報が入ってくる、いや思い出すと言ったほうがいいでしょう。それはまるでジグソーパズルを組み合わせているようです。姿が浮かび上がってくるのです。これはまだまだ継続中で、天津金木がこれから先一体何を教えてくれるのか非常に楽しみです。

逆に苦しいことと言えば、自分の中のとても醜い部分が表面化してきて、それと真っ向から対峙しなくてはならぬことです。心の中に人に知られぬように隠していた部分、そして自分でも知って知らぬ振りをしていた部分が表面に出てきて、それと向かい合うことの厭らしさといったらありません。いまは、次に天津金木が何を突き付けてくるのか少し怖くもあります。しかし、それと向き合い、理解することによって次に駒を進めることができることも知っています。いずれにしましても、これは自分の潔斎であることに間違いはなさそうです。

このように、私は私の53年間の罪汚れが絞りだされる苦しさと心地よさに戸惑っているような状態です。私のダークな部分は皆さんもご承知のとおりで、いまさら申し上げるまでもありませんが、ここでは天津金木によって得た情報も報告せねばなりません。

5. 太古の暗号の解読

ご承知のように私たち和良久の稽古人は、不思議な言霊の図表を用いて稽古をさせていただいています。以前にもご紹介いたしましたが、これら一見複雑な図表はいったい我々に何を指し示しているのでしょうか。これは私にも簡単に説明できなかったことでした。しかし天津金木により、その真意がはっきり浮かび上がってまいりました。

この図表、一言でいえば「思念は具現化する」ということを指示しているのです。言霊の解説編ともいえる霊界物語の天祥地瑞の巻には「虚空に一点のホチあり」と述べられています。図で表せば「○〜虚空」に「・〜一点のホチ」と言うことです。

これは宇宙の創造のとき、最初に「ス」の言霊があったということです。そして続いて「ウアオエイ」といった言霊が連なっていき、徐々に形象化していく様子は「布斗麻邇御璽(ふとまにのみたま)」という図で表されています。

<布斗麻邇御璽という図について>
「ス」 〜清らかな心に私たちの願いを入れますと
「ウ」 〜宇宙のエネルギーが活動を開始します。
「アオ」〜それは内にも、
「エイ」〜また、外にも、形を創り出すエネルギー(水火)なのです。

<ますみの鏡という図について>
 そして、そのエネルギーはこの地球という台座において物質化します。

<天津金木の図について>
 物質は願う者の願いに応じて、より確かに、より精密にこの世界で形を造っていきます。

<天津菅曾の図について>
 それは、われわれがより生き生きとして生きるために必要な活動力となってくれます。
このように私たちの世界は常に宇宙のエネルギーにより恩恵をもたらされている(火水与〜カミヨと読む)ことを知るべきです。

これらの内容は古事記にも記されています。

『アメツチはじめのときになりませる神の名はアメノミナカヌシノオホカミ、次にタカミムスビノカミ、カミムスビノカミ・・・』


 『アメノミナカヌシノオホカミ』とは天の真中の主に発生せる大いなる火と水のエネルギーのことです。「タカミムスビノカミ、カミムスビノカミ」は、心を産み出す力と、物体を産み出す力ということです。

<天津祝詞について>
 ですから・・・その恩恵を受けるため、つまり宇宙のエネルギーが私たちにもたらされるようになるためにまずやらなくてはならないことは、心の中に巣くう疑念、嫉妬、怨恨、悲哀、闘争などを排除せなくてはなりません。

6. 言霊の火水(ひみつ)

私は天津金木により、日本古来より伝えられたる驚くべきこの言霊の火水をあらためて知った思いがします。そして、これらが永年伏せられたについては、こういう話が伝わっています。昔、神々はこの火水(秘密)を隠すために最も適切な場所を探すべく集いをもって相談されました。

「これを人に知られぬように遠い空の上に隠そう」
しかし、ある神は言います。
 「いや、やがて人は遠い空の上までやってきて見つけるだろう」
別の神がいいます。「それでは深い海の底に隠そう」
 「いや、やがて人は海の底までやってきて見つけるだろう」
そして、またある神は言いました。
 「それでは人の心の中(意識の奥)に隠そう」
全員は「それがよい」と賛成しました。
 神は知っていました。


 人にとって一番見つけにくい所とは人の心の中であることを。

私たちが心を澄まして意識の奥に入ると、そこには神が隠した秘密の力が眠ってるのです。いずれにしましても『思念は宇宙を動かし、宇宙に存在する原子は集合し、この地球上において物体を形成する』ということになります。これを言霊でいいますと「スウアオエイ」と「75声」なのです。

このことをいにしえより言い伝えられてきた証拠としまして、聖書は非常に分かりやすく表現しています。

「はじめに言(ことば)あり、言は神とともにあった・・・」言霊により世界は生まれたことを言っています。そして、その言霊による信仰についての意義はこう述べています。「信仰とは望んでいることを確信し、まだ見ていない事実を確認することである」
・・・願い求めたことは、決して疑わずにすでに叶えられたと確信することが大事です。
 そしてあとは願ったものを受け取るだけであるということを言っています。

神は言われます。
 「あなたがたは自分のもっている確信を放棄してはいけない。
 その確信には大きな報いが伴っているのである。
 神の御旨を行って約束のものを受けるためあなたがたに必要なのは忍耐である」

また神は言います。
 「私は決してあなたを離れずあなたを捨てない」
 「わたしはあなたたともにいてあなたを救う」

このように宇宙の力はいつも私たちとともにあることを宣言しています。

では最後に、私たちがこの世に生まれた意味を簡潔に述べた言葉がありますので記します。いままで何度も誌上講座でも紹介した言葉ですが、とても力ある言葉で私は大好きです。

「わたしがあなたを立てたのはこのことのためである。
 すなわち、あなたによって私の力をあらわし、
 また、わたしの名が全世界に言い広められるためである」

「わたし」と言うのは神のことであり、「あなた」と言うのは私たち人類のことです。
 神は人を通してこそその力を発揮することを得るのです。神はご自身を讃美させるために、私たちにあふれるばかりの力を授けてくださっています。それは本当に無限です。神はもし自分を讃美するというのなら、それこそ私たちの望むものをありあまるほどお与えくださるのです。

では神を讃美するとはいったい何でしょう?

それは愛、善意、信頼、慈悲などをこの世にあらわすことです。

この世が乱れ行き詰まったとき、神様は「一輪の仕組み」がこの世を救うといわれています(預言の書「おほもとしんゆ」)。この一輪の仕組みのことを出口王仁三郎聖師は「言霊の火水(ことたまのひみつ)」と言われています。

私は一人でも多くの方にこの「ひみつ」を知っていただき、それによって人生が災難に遭遇することなく、思い思いの夢を叶え、愛と希望と満ち溢れた毎日を送っていただきたいと願っています。

                        つづく。

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