2010.03.29  

第42話 「創造の神器〜アマノヌホコ」

古代から伝えられた次の一節こそ、武道の原点である。

アマノヌホコ ヲ サシオロシ
(高次元のエネルギーを地へ下し)

シホ コオロ コオロ ト カキナラシ
(呼吸を、右に螺旋し、左に螺旋してまったいらに掻き均し)

シタタリオチル シズクデ ナリマセル オノコロジマ
(螺旋運動によって生じた遠心分離作用で不純なものが除かれ、純粋なもののみ残り、その純粋無垢な一滴が滴り落ちて出来上がったのが自転島(オノコロジマ)である)

この自転とは、自ら呼吸をしているという意味で、生きて活動している磁場のことを指している。自転〜オノコロ〜自ら転がる〜自力で螺旋するということについて掘り下げて考えてみることにしよう。

神(火水)の力(水水火)をもって物体(火火水)を形成する、ということだが、古代文にならい、表で表すと下記のようになる。

霊  火 水   璽   一霊四魂  思念      ・
力  水水火   劒   八力     活動  火/\水
体  火火水   鏡   三元     姿        ○

上の表をじっと眺めていると、円錐形をなす宇宙構造がイメージとして顕れてくる。

力とは、水水火の働きであり、火と水が内に外に螺旋し、上下、前後、左右にその力が及ぶ

言霊「スウアオエイ」は、スを頂点とする円錐形である。

スは、天にあってホチ(・)の一点となり、ウは、地に下って丸い円形をなし、

アは、時計回り旋回の左右方向へ、
オは、時計回り旋回の上下方向へ、
エは、時計と反対回り旋回の上下方向へ、
イは、時計と反対回り旋回の左右方向へ、

全体は、丸に十字で、真ん中に点を打った形がスウアオエイである。

スは、父(神)の一滴、火であり、霊であり、素である。いわゆる主の神と唱える全知全能なる存在。これは幽である。ウは、幽なるスが、形象化したものであり、スの水火が凝ったものである。スーウとは、幽から顕への移行である。

大気中の水火が集約されたものであり、水火の凝固である。
宇宙創生の時、いわゆるビッグバンを迎える言霊である。

そして、その爆発力によって、「ア、オ」は内回りに旋回しつつ、その力を四方に放ち、「エ、イ」は外回りに旋回しつつ、その力を四方に放つ。

旋回する遠心分離作用によって、純粋無垢なもののみ残り、そのさらに凝縮された一滴が、父(神)の一滴となり、地に下されオノコロジマ〜自ら転がるもの、自ら呼吸し活動するもの、つまり、この地球であり、我々人類となった。

劒  霊体一致 火水の均衡
刀  体のみ 物質欲 霊の欠如

国学者で、大日本言霊学の大成者、大石凝眞素美先生は三種の神器についてこう言われた。その中で劒について記す。

「世の物事一切を聴こしめしたまいて、その物事一切に相い当たる言霊をもって天秤釣(まつり)に天秤釣玉いつつ、明らかに釣り合わしたまいて、その善悪正邪、是非曲直を厳重に切り分け定め極め玉う。

草薙の劒の御鎮臺也、劒は釣極也、両刃の釣り合いを尊しと読むもの也。
 このつるぎの片刃を薙ぎとりて片薙という也。専、軍陣中の用具にして兵器也、凶器也。

千矛は不吉物也、唯、賊を切るの一能ある也。例令、天国、宗近、正宗等の銘なりといえども兵器なり。カタナ也。劒の号を戴き居るものにあらず」

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                     第43話につづく

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