2012.04.23
第76話 「悪魔との戦いにおける最後の切り札」
天津金木は日本の根本の学びであり、これにより古事記、および大祓祝詞の真義が明瞭に解釈できます。
崇神天皇のとき、和光同塵の神策によって、三種の神器は封印されると同時に天津宮言(言霊の法則)などの神術もまた廃れていきました。
しかし、慶応末期、大石凝真素美師によって、美濃の山本秀道師の家にご神体として伝えられた天津金木が復活します。
大石凝真素美師が天津金木を置き足たらはすと、空間が凝縮され五色の光に満ち溢れ、また締め切った部屋の中にも関わらず室内において風が吹き、雷鳴がなり轟くなどの自然現象が起こったとされます。
また大石凝真素美師は代々神官の家柄で、師は家に伝わる次の言い伝えを決行する日を密かに待っていました。
「この世界は悪神がはびこって人心荒廃し、世が乱れに乱れ、大いなる災害に見舞われる。このままでは人類の9割が滅亡する。これを救う方法は三つの鍵をもって神界の扉を開き、太古に封じ込められた正しい神に登場していただくしかない」
その三つの鍵とは大祓祝詞にある「天津金木」「天津菅曾」「天津祝詞」の三つのことです。大石凝真素美師は山本師に出会って学び、ようやくにして三つの鍵を手に入れたのです。
山本、大石凝、そして太玉太観という人物も加わって、いよいよ人類救済のために三人が神界の扉を開き、太古の正神をお呼びする神事を挙行することになりました。
つまり大祓祝詞の訴える最重要神事である天津宮言をもって「天津金木」「天津菅曾」「天津祝詞」の行事を執行されたのでした。
しかし、神事執行後間もなく、すさまじい悪神の反撃が勃発しました。
斎場内に悪神の笑い声が不気味に響き渡り、神事執行者の体が宙に浮き壁に叩きつけられるなどの奇怪な現象が起こったのでした。
再度、気を取り直して執行するも三人の命にかかわるほどの悪神の猛攻を受け結局神事は失敗に終わります。
大石凝師はのちに出口王仁三郎聖師にこの秘儀を授け後を託されました。
かくして「三つの鍵(言霊の秘儀〜天津金木、天津菅曾、天津祝詞)をもって神界の扉を開き、太古に封じ込められた正しい神(大国常立大神〜うしとらのこんじん)に登場していただく」ことになったわけです。
しかし、真の天の岩戸が開かれるのはこれからだといわれます。
大石凝真素美師が天津金木の運用によって見た未来は、全世界の破滅でした。しかしそれを回避する手立てもあるとされています。それは仏典や聖書にも見ることができます。
釈迦は入滅に際し「千年後、この世界の善は消え、天変地異が容赦なく勃発する。また三つの悪しき者が現れ、人々を虐殺し真の教えを迫害する。大地は震動し、大きな星が落下し、四方に炎が起こって十方の諸天は空中に号泣する。
しかし最終最後のときに天地を動かし支配するという輪宝〜天津金木を携えた転輪聖王を伴って弥勒菩薩が現れ、輪廻の輪を断って弥勒の世が到来する」と言われました。
ヨハネの黙示録にも同様のことが書かれています。
「龍の口から、獣の口から、偽預言者の口から蛙のような三つの汚れた霊が出てきた。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを招集したが、それは、全能なる神の大いなる日に戦いをするためであった三つの霊はへブル語でハルマゲドンというところに王たちを招集した」
このように世の終末を告げますが、しかし天使ミカエルが登場します。
「ひとりの御使が、底知れぬ所の鍵と大きな鎖とを手に持って、天から降りてきた。彼は、悪魔でありサタンである龍、すなわち、かの年を経たへびを捕えて千年の間つなぎおき、 そして、底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終るまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた」〜ヨハネの黙示録
この天使ミカエルのもつ鍵こそ、神道でいう「天津金木」であり、鎖とは「天津菅曾」なのです。
武道和良久は、この天津金木と天津菅曾を修する道です。