2012.05.10
第77話 「真実の日本」
- 武道は戦って勝つ手段を学ぶものというのが現代の武道に対する認識である。
- これは武道の起源を知らぬものの考え方である。天運循環し、いまこそこの誤った認識を正しめる時がきた。
- 武道の起源は「アマノヌホコ」からはじまることを知ることが最も肝要である。アマノヌホコの存在を知ることが真実の日本を知ることになる。
- アマノヌホコは古事記に登場する名称で、神様がこの世界を創造される時に用いられた創造のための道具の名であって破壊殺傷のための道具ではない。
- 「アマ」とは宇宙を意味し、「ヌホコ」とは霊的な力が凝縮したものという意味である。
- そのアマノヌホコの動かし方は、古事記にこう書かれている。
「シオ コオロコオロ ト カキナラシテ」
- シオは、水火と書く。これは陰陽(マイナス、プラス)ということである。
- コオロコオロとは螺旋運動、カキとは「掻き」「描き」で、ナラシテのナルとは「成らす」「生らす」「鳴らす」、そして「均す」「慣らす」を意味する。
- 陰陽のエネルギーが螺旋運動によって掻き混ぜられる様子をあらわす。
- 「ナル」は、形が造られ、それが動き、音響を発するということで、物を産み育み、そして全体のバランスを整えるということである。
- 「ナル」の現象は「天津宮言」の法則によって起こる。
- 天津は宇宙、宮言とは神の言葉、すなわち言霊のことである。
- 天津宮言は「天津金木」「天津菅曾」「天津祝詞」の三つで構成される。
- 天津は、陰陽のエネルギーが満ち溢れ螺旋状に旋回している世界である。
- そのエネルギーが宮言の法則によって万物に生命を付与される。
- 宮言のうち、金木は「成る」、菅曾は「生る」、祝詞は「鳴る」を司る。
- われわれは、天津宮言のはたらきを抜きにしては、一瞬たりともこの世に存在することはできない。
- このように、武とはアマノヌホコの力を、われらの体に宿すことを意味する。これを鎮魂帰神という。
- 武道は鎮魂帰神の方法を知るための稽古である。鎮魂とは神からの道、帰神とは神への道ということである。
- 何のために鎮魂帰神をなすのか。それは悪魔を追い祓うためにほかならない。
- 稽古とは「いにしえ」を思い考えることである。「いにしえ」とは宇宙創造に遡る。
- 和良久は、まことの武道の稽古を通して鎮魂帰神を達成し、悪魔を祓い、神の御心を地上にあらわすことを目的とする。すなわち真実の日本の姿を世界にあらわすことである。