第81話 「父音発声の重要性」2012.07.23
すべての音声は、「アオウエイ(aouei)」の五つの音(父音)が土台になり、「カサタナハマヤラワガザダバパ (KSTNHMYRWGZDBP)」 の14音が頭に乗って、75の音声が組まれます。
以下に、天津祝詞の神文を、父音と子音とに分けてみました。
父音のみで祝詞を奏上してみてください。
父音がいかに力強い音であるかがわかると思います。
言霊発声の基本は父音にあります。
父音に創造主の魂が生きていることを忘れてはなりません。
天国における会話は、父音のみで交わされるといいます。
そして、下段に下がるにつれ、子音が加わり、言葉の数は多くなります。
言葉の数が多いというのは、それだけ、言い訳が多くなり、以心伝心が無い状態ということにほかなりません。
言葉の乱れは、この父音を消して音声を発するところにあります。
父音を消しては、魂の活力が消えます。
今の世のごとく、子音のみで言葉を交わし、父音の無い口先だけの語り口調は、武道でいえば腰の入らぬ八力そのものです。
日本魂(やまとだましい)とは、五大父音に隠された、まことの力のことです。
すなわち「一霊火水三元四魂八力」のことを言います。
言霊の構造は、キリスト教における「父と子と聖霊の御名において」という祈りの言葉に象徴されます。これは「言霊の助けによりて」という意味です。
父(音) 「a o u e i」
子(音) 「 K S T N H M Y R W G Z D B P 」
聖霊 「75声」
仏教においては、聖観音が、衆生の唱える真言(言霊)を聞き取り、相手に応じて三十三身に身を変じ、法を説き、あらゆる苦しみから救い出してくださいます。
聖観音は、七十五(聖)の「音を観る」はたらきを言います。
また、聖(ひじり)とは、霊(ひ)を知る者で、「耳と口の王」すなわち言霊を治める者をいいます。
下記の祝詞発声稽古をやってみますと、口の表面で語る子音の音に比べ、父音のみの発声は、喉の奥の方で声を出し、腹圧がかかり、全身で声を出すという非常にパワフルな音声であることがわかります。
言霊の正しい発声は、気道を広げ、呼吸を深くし、腰が据わって自然に姿勢が正されるのです。これにより霊魂に力を増し加えられるのです。
父音だけの発声は、子音をともなった発声に比べ、非常に体力を要することがわかります。声の発声訓練のみで、全身運動に匹敵するのです。
言霊の学びは、神仏の世界に通じ、万有愛護の精神を培い、人類和合の礎を築きます。
<天津祝詞による父音発声訓練>
※ 参考 天津祝詞における各父音の数
ア 〜 64音
オ 〜 63音
ウ 〜 22音
エ 〜 15音
イ 〜 49音
合計 213音