2013.05.27

                第98話「天津金木 6」

 私たちは天津祝詞奏上のあと、朝は感謝祈願詞(みやびのことば)、夕には神言(かみごと)という二種の祝詞を奏上しています。

 感謝祈願詞は霊学に基づいて編纂された素晴らしい内容に満ちた人生の指針です。これほどわかりやすく、また創造主や天使たちへの守護を的確に願った文面は古今東西の祈りの言葉には見当たりません。

 この祝詞を奏上することによって神言の意味を一層深く理解し「祓い清め」と「守護」の効力を強く発揮させることができます。

 ご承知のように感謝祈願詞と神言は呼応した内容になっています。つまり、感謝祈願詞は神言の内容を解説し、神言は感謝祈願詞の実践方法を述べています。

 『天津宮言もて、天津金木を本打切り末打断ちて、千座の置座に置足はして、天津菅曾を本刈り断ち末刈切りて、八針に取裂きて、天津祝詞の太祝詞言を宣れ』

 神言にありますこの内容は、すでにいままでご説明してきましたので再度ご説明申し上げるまでもありませんが、これは感謝祈願詞の中にあります「天の数歌」すなわち一霊、火水、三元、四魂、八力の実践です。

 天津宮言とは言霊のことです。

 言霊とは「布斗麻邇御霊(ふとまにのみたま)」を指します。これは「スウアオエイ」という宇宙創造の初発の音声の配列を表しています。

 また、布斗麻邇御霊は一名「火凝霊(かごたま)」と呼ばれています。

 では火凝霊とは何か?

 火凝は「ホコ」と読みます。「ホコ」とは「アマノヌホコ」のことです。アマノヌホコとは「創造主の神霊力が凝縮したもの」という意味です。万物を産み出す際に用いられるエネルギーということです。

 その具体的な形が私たち和良久が用いています木剱なのです。木剱は八力運用には欠かせない道具であり、言霊の力を目に見える形として顕現させる神器です。

 言霊を見える形にするとは、創造主のお姿を顕現させるということです。そのお姿の全容は75声の水火の働きをすべて行うことで表れます。すなわち螺旋につぐ螺旋のつなぎの全容がまるで蓮の花を咲かせたように美しく現れるのです。

 それは無限に縮小し、無限に拡大されます。それは絶対中心軸をおいて永遠に止むことなく旋回が続く無始無終の世界です。旋回は前後、上下、左右に均衡を保ち完全なるバランスを達成させます。

 この螺旋世界を「タカアマハラ」と言います。タカアマハラとは高天原という字を当てますが、宗派により天国といったり極楽浄土といったりします。

 『言霊の助けによりて大神の御心を直覚し、鎮魂帰神(みたましずめ)の神術によりて村肝の心を練り鍛えしめたまひて』

 感謝祈願詞におけるこの文面は神言の次の文の意味を指します。

 『天津宮言もて、天津金木を本打切り末打断ちて、千座の置座に置足はして、天津菅曾を本刈り断ち末刈切りて、八針に取裂きて、天津祝詞の太祝詞言を宣れ』

 大神(創造主)のご存在は言霊の法則を学ぶことによって伺い知ることができ、大神の力は言霊を行ずることによって現れます。

 言霊とは天津宮言、すなわち「天津金木、天津菅曾、天津祝詞」のことです。この三つの行事が「鎮魂帰神の神術」なのです。

 鎮魂帰神をなすことによって悪しき罪汚れも祓い清められるというのです。このところは神言の後半『天津神は天の磐戸を推披きて・・・』と同じです。

 要約しますと、三千世界(現神幽三界、大宇宙)を一度に開かせる鍵が言霊にあるということです。最後の一輪の経綸とは「言霊なり、火水なり」と神諭に示されています。


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