2013.10.07 

              第106話「天津金木 9」


  1. 天津金木は高天原の内容を明白に顕現する宝具であり、天沼矛の模型である。

  2. 天津金木は、天沼矛の法則に基づいて製作されるものである。

  3. 天津金木は天沼矛、すなわちアシカビ(神力)を表現する模型である。

  4. 天沼矛は天地の均衡を保ち、その大きさを決定する根本基準器である。

  5. 天津金木製作の材料は、狂いのない正確な寸法が要求されることから、元来精錬に精錬を重ねた金属を用いてきた。これが金木の名の由来のひとつでもある。

  6. 天津金木は、天地を造られた神々の寄り集い給う木として「天造神寄木」とも書き、また神々の事柄を算数の上で解明する器具として「天造神算木」とも書く。

  7. 高天原のアシカビは無限であり、かつ定るところに応じて、その広狭範囲を自在にする。ゆえに天津金木製作においては、いかなる寸法を採用するも、少しも差し支えない。

  8. 天津金木の寸法は、各自の体格に応じたほどよい大きさにすればよい。

  9. もし基準をもうけるならば、伊勢神宮の御鎮座本紀に記されている天御量柱(アメノミハカリバシラ)の縮小寸法(四分角二寸)が、適切とされる。

  10. 用材は上質の檜を使用し、これを四分角二寸の長方形に製作し、木の根元をもって「本」とし、これに墨を塗り、木の裏側を「末」として、ここに白粉を塗る。

  11. そして本を下に、末を上にして、柱を直立させ、木の中心に向かっている内側の面を黄色に塗り、その反対、外側面に青を塗り、黄色の右側面に赤を塗り、黄色の左側面に緑を塗る。これを36柱用意する。

  12. 天津金木は、高天原の写しであり、アシカビの代表物であるから、もしこれを霊的に見るならば、奇魂〜青面、荒魂〜緑面、和魂〜赤面、幸魂〜黄面であり、体的に見るならば、精体〜青面、気体〜赤面、液体〜緑面、個体〜黄面を表現する。

  13. 天津金木は、宇宙万有一切のすべてを取り扱う宝具であり、天の上にも、天の下にもこれ以上の模型は他にはない。

  14. これはすなわち、伊弉諾、伊弉冊の両神がお鎮まりになり、陰陽の水火が結ばれ、八百万神のご活動を拝するを観るがごとくである。

  15. 天津金木が霊を表現する場合に、これを称して御霊代(みたましろ)と申し、天津金木が体を表現する場合に、これを称して御樋代(みひしろ)と申す。

  16. 天津金木は、天沼矛を表す以上、順流と逆流、また左旋と右旋とを的確に表現する。

  17. 天津金木は、四魂と四体の各部のはたらき、および関連性を的確に表現する。

  18. 天津金木は、内旋と外旋を的確に表現する。

  19. 天津金木は、いかなる姿形をもこれを的確に表現する。

  20. 天津金木は、絶対統一の意義、ならびに、独神(ひとりがみ)、隠身(かくりみ)の本義をも最も完全に明確に表現する。

  21. 天津金木は、高天原の一切をことごとく表現し、解明する力をもつ。

  22. 天津金木は生命を表現する。よって天津金木に霊を宿し、体を寓する心得が足りない場合は、天津金木は単なる物質に墜して、生命あるものとは認められない。

  23. 天津金木の使用者は、常に天津金木を活かす術、換言すれば天津金木を生命体として取り扱うことが肝要である。

  24. 天津金木は、神と人との媒介宝具である。

  25. 天津金木は、天地萬有と我々との媒介宝具である。

  26. これすなわち、大中臣(オホナカトミ)の使用宝具となっている由縁である。

  27. 大中臣は、神と君との中間に侍り、神のお示しを君に伝え、君の願いを神に告げる媒介者的役割を担った祭臣をいう。大祓祝詞はこの大中臣が奏上したのが始まりである。

  28. 天津金木は、神と我々とを媒介する宝具、宇宙萬有と我々とを媒介する宝具である以上、無限なる威力を示すことは疑いのないことである。

  29. 天津とは、宇宙であり、神聖なるものを意味する。

  30. 何事も道具は使用する者の霊性に応じてしか、その威力は発揮されないものであるから、天津金木を学ぶ者は、神への篤き信仰心をもち、正しい言葉、正しい行い、正しい思いをもって時を過ごさねばならぬ。
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