第139話 「吸気 呼気」2015.02.02
天津金木の行事は厳粛の上にも厳粛に行うべき行事なり。
天津金木は、天津神に神霊降下をいただくひもろぎなり。
創造のご神霊は五大父音をもっておわしまし、75声の言霊をもって八百万の神々の活動を促すなり。
われらは天津金木に神の姿を見、また神と同体となり、また神の音声を発するものなり。
天津宮言表は天津金木を示す大切なるものなり。
水茎文字は創造の神が直々に書かれしものなれば、決して浮ついた心をもって接してはならじ。
手をもって天津金木を略儀にて行うことは、まことに恐れ多きことなれども、古来よりこれを天津御手振と言いて許されしことなり。
右手を水とし、左手を火として表す天津御手振は、神人感合に誘う行事なり。
空覚えで行事を行うべからず。必ず天津宮言表を熟視し、表と一体となる心で執行すべし。
天津金木を置くことはすなわち鎮魂なり。
心鎮め、眼、鼻、口、耳を最大限にもちいて行うこと肝要、これ聖の道なり。
聖とはその字のごとく、耳、口を修め支配する者すなわち言霊を活用する者なり。
音は口から出で、耳に入る。
生命の元は鼻から来るものなり。
鼻の吸気をもって全身の活動は可なるべし。
現界は呼気をもって現れる重きところなり。
呼気ありて見、聞、嗅、語、動が可となるなり。
ゆえに鼻は生命の元と言うなり。
鼻から生まれし神をスサノヲと言う。
スサノヲのスは主なり、水なり、吸うなり。サは呼気をもって左旋し降り下る義なり。
ノは火中水にして霊より体を顕現す義なり。ヲは和魂をさらに凝縮せし強き結びの義なり。
スサノヲとは、吸気をもって宇宙の神霊力を凝縮させ、呼気をもってそれを世に下し、生きとし生けるものみなに活気凛々たる生命を与え、万民和楽の世界を招来させる言霊なり。
顔の真中にある鼻は重要なる命の軸なり。
鼻より水火入りて、思い、語り、動くなり。
鼻こそ創造神の活力が舞い降りる人体のひもろぎなり。
創造の神と人とをつなぐを鎮魂と言う。
スサノヲの働きはすなわち鎮魂なり。
稽古における天津金木に注意を要す。
一に天津宮言表を凝視し、二に水茎文字の形を丁寧に天津御手振し、三に手で形を作り上げた後、表の形を吸気で体内に取り込み、四で呼気をもって口より音声を発する。
創造神の書き記しものに大いなる意味と権力のあることを忘れてはならじ。
これらの行事ありてこそ、ツルギの御技は神技となるべきものなり。
天津宮言なる和良久は万民に開けし天啓の技なり。
神は人を選ばず、人が人を選ぶ。
日々たゆまぬ錬磨をもってすれば必ず霊力、体力が高まり、奇しき力がそなわるものなり。これ神の約束せしことなる。
稽古に従順にあれ。