2016.12.13
第159話「ヤマタノオロチ」
天津金木を高天原の形状に置き、その金木の配置された部分を線でつないでいきますと見事な螺旋形が現れます。
その螺旋形はまるで蓮の花が咲いたような美しい形状です。
高天原の形状に天津金木を置きならべるとは「結」を中心に、天―地―水―火すなわち父音「アオ(ウ)エイ」の言霊の順に配置することです。
天の数1、地の数4、水の数3、火の数2で合わせて10となります。
上下の天と地を合わせて5。
左右の水と火を合わせて5。
つまり経も緯も五分五分の配分となっています。
高天原とは前後上左右が五分五分、すなわち対照であり、また固くそれらが結ばれている完全に秩序の整った世界のことです。
しかし、この高天原の配列に反して「結」すなわち軸がなく、天―火―水―地(アイエオ)という配列を真ん中に置いて1234と順序良く金木が並べられ、上下左右にも一見順序良く並べられたるとどうでしょう。
そこにはまったくとんでもないものが登場します。
一見順序だって整理されたように見えるのですが、それは見せかけだけです。
その配列に宿るエネルギーは「天が火となり、地が水となる」と言うことを表しています。
この金木の配列を「ヤマタノオロチ」と言います。
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実際に金木を置いて同じ数字を線で結ぶと、螺旋ではなく歪な鋭角の線が表れます。
そして右側にオロチの頭、そして左に尾が出てきます。
古事記には「彼が目は赤かがちなして、身一つに八頭八尾あり」と書かれています。
「目は赤かがちなして」とは、最初から人に対して恐怖、疑念、嫉妬、憎悪の目をもって見るということであり、
「身一つに八頭八尾あり」とは霊体が完全に不一致のこと、つまり思いと行動が合わない状態を言います。
すなわちヤマタノオロチとは次に示す「八つの反作用」を表します。
1、治を乱に
2、興を廃に
3、得を失に
4、存を亡に
5、安を危に
6、閑を争に
7、栄を枯に
8、盛を衰に
そして「その腹を見ればことごとにいつも血にただれたり」とあるは、人々の心を惑わせて戦いと争いを起こし、大地を赤い血に染めるという意味です。
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父音「アオウエイ」は神の声とも言われ、宇宙間に鳴り鳴り響いている音です。
この音の配列をもって宇宙が形を保っており、また空間の歪みを正しています。
いにしえの人々はこの音を聞いていました。
どこから聞こえるのかと聞いたら皆天に指をさして「ここからだ」と答えたというのです。
そしてこの音を制御する権限が私たち人類であり、ことに父音を明瞭に発声することを許されたのが大和の民なのです。父音を明瞭に発することが出来るゆえに、ことさらに日本を神国と言うのです。
この音は国により聞こえ方が異なりました。
ある場所では「アウン」と聞こえ、ある場所では「オーム」と聞こえ、ある場所では「アーメン」と聞こえました。
ところが日本の民ははっきりと「アオウエイ」と聞き分けることが出来たのです。
いつの頃からでしょう。
神代の言霊の配列「アオウエイ」が、オロチを呼ぶかのような「アイウエオ」の音となったのは。
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私たちは「天と地を結び、火と水を結んでこの世界に秩序をもたらし、もって安穏たらしめる」という使命を帯びた国に生まれたことを誇りに思い、言霊の助けによって一日も早くその使命をまっとうせねばなりません。
ヤマタノオロチを退治すると言うことは、すべての人々がスサノヲの心(主の神の力徳を報じて国を治める精神)に立ち返り、手にはツルギ(主神の光明)をもって闇(ヤマタノオロチ)を照破(退治)するということです。