2006/10/23    

第3話 日本古来のココロの考え方

◆米国で日本古来の魂の考え方と遭遇する

 ココロは、勇、親、愛、智の4つの機能を備えており、人によってそれぞれの強弱が異なっている。4つの魂は、直霊の省みる機能で磨かれ発達するという考え方が、日本古来の魂の構造でした。

私がこの日本古来の魂の考え方に出会い、惹かれたのは、なんと米国のカンザス大学の大学院で行動科学を勉強し、パーソナリティ理論の講義を受けていたときのことでした。

 

190cmもあろうという女性教授バーバラは、最新のパーソナリティの考え方である「5因子論」を説明していました。人の性格は、外向性、親和性、感情的安定性、知性、良心という5つの性格特性から成りたっているというのです。

これが、5因子論の概念図です。

その特性である「外向性」とは、前向きに物事を進めること、「親和性」は、人と親しみ調和を保つこと、「感情的安定性」は、感情の豊かさ、「知性」は、好奇心や分析力を現わします。「良心」は、勤勉性や道徳性です。これら5つの特性が組み合わさり、人それぞれ、5つの特性の強さが違うことによって、個性ができているというのです。

 

教授の話を聞きながら、ふと教室の窓を見ると、緑いっぱいに生い茂った木々の間から、透きとおるようなブルーの空が見えました。すると小学校の帰りに、藁の「家」の上で寝そべって、空を眺めていた光景が浮かび上がってきました。そして、祖母の家に私がいる場面が見えてきました。授業中に、小さい頃からの私の「妄想癖」が出てきたのです。

 

日本髪を結った亡き祖母の声が聞こえてきました。祖母は出口王仁三郎の次女に当たります。

「よう来たな。ヒカルに何かおいしいものを食べさせてやって」掘りごたつのあるテーブルを囲んでいました。お菓子を食べているときに、祖母は、私の顔を見ながら嬉しそうに「お前は無鉄砲で、ほんまに荒魂(あらみたま)が強いからなあ。強いだけやとあかんで。人に優しくならんとな」

 

このように優しく言ってくれる祖母の家に立ち寄ることが、子どものころの私の日課でした。私にいろんな話を聞かせてくれました。前世のこと、霊界や魂、火の玉などの不思議で、少し怖くて、面白い話ばかりでした。

 

この祖母の声を聴いた瞬間、閃いたのです。

 

「あ、これは一霊四魂(いちれいしこん)のことだ!」

 

子どもの頃に祖母の家で教わった、日本に古くから伝わる「一霊四魂」のかすかな記憶が甦ってきました。私は、最先端のパーソナリティの五因子理論が、これと似ていることに気づいたのです。

私は宗教的なことを言いたいのでも、国粋主義者でもありません。純粋に、日本の古来の考え方に、優れたものがあるということを伝えたいのです。安心して聴いてください。

 

◆一霊四魂とはなにか

「一霊四魂」とは、簡単に言うと、私たちの「ココロ」は、四つの魂から成り立ち、それらを一つの「霊」がコントロールしているのです。勇、親、愛、智という4つの魂の機能があり、それらを、直霊(なおひ)がコントロールしているという考え方です。「四魂の窓」の診断結果にあったように、勇は、前に進む力です。親は、人と親しく交わる力、愛は、人を愛し育てる力、智は、物事を観察し分析する力です。

 

これら4つの働きを、直霊(なおひ)がフィードバックし、良心のような働きをするのです。例えば、智の働きが行き過ぎると、「あまり分析や評価ばかりしていると、人に嫌われるよ」という具合に反省を促すのです。つまり、この直霊は、「省みる」という機能を持っているのです。

 

「一霊四魂」とはどのような考え方なのか、さらに探求してみましょう。

 

勇 ーーー荒魂(あらみたま)

四魂の1つには、荒魂「あらみたま」という神様の名前がついています。

「勇」は前に進む力です。勇猛に前に進むだけではなく、耐え忍びコツコツとやっていく力でもあります。その機能は、「勇」という一字で顕わされてきました。

これは先に述べた5因子論の「外向性」と似ていると思いませんか。

 

親 ーーー和魂(にぎみたま)

2つめの魂には和魂「にぎみたま」という神様の名前がついています。

親しみ交わるという力です。その機能は、一字で表現すれば「親」。

これも5因子論の「親和性」と同じように思えます。

 

愛 ーーー幸魂(さちみたま)

3つめの魂には幸魂「さちみたま」という神様の名前がついています。

人を愛し育てる力です。この機能は、「愛」という一字で表されます。愛で大切なものは、やはり感情です。幸魂が強い人は感情量が豊かな人です。

5因子論の「感情的安定性」と似ていると思いませんか。

 

智 ーーー奇魂(くしみたま)

4つめの魂には奇魂「くしみたま」という神様の名前がついています。これは、観察力、分析力、理解力などから構成される知性です。この機能は、「智」。

なんと、これも5因子論の「知性」とあまりにも符合するではありませんか。

 

 このように、5因子論のうち、4つの因子は、日本の魂の4つの機能と酷似していることに、あなたも気づくと思います。では、「良心はどこにいったの」と思いませんか?

 

それが、次にお話する5つめの機能なのです。この5つ目の機能が、私たちの魂を進化させ、リーダーとしての「離見の見」を発達させるのです。

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